日本では従来、キャリア向けにスマートフォンやWi-Fiルータ、通信機能付きフォトフレームなどさまざまな端末を提供してきた、中国の端末メーカーの1つであるファーウェイ。だが6月に、LTE対応スマートフォン「Ascend G6」をSIMフリーモデルとして販売して以降、既存キャリアを通さず、MVNOや量販店を通じて販売するSIMフリーのスマートフォンやタブレットの販売に力を入れるようになった。
なぜ、ファーウェイはSIMフリーの端末を提供するに至ったのだろうか。戦略変化の背景と狙い、そして今後の展望について、ファーウェイ・ジャパンの副社長である呉波氏に聞いた。
仮想移動体通信事業者(MVNO)などがけん引するSIMフリーの市場は、日本においては新しい市場です。実は日本のSIMフリーマーケットは、世界的に見ると残された未開拓市場であり、参入に至る大きな理由もそこにあります。
もっとも海外と比べた場合、日本のSIMフリーマーケットはまだ完全にオープンになっている訳ではありません。ですが自分が欧州で勤務した経験を振り返ると、欧州も10年前は現在の日本と同じような状況でしたが、その後オープンな市場が伸びて、現在はキャリアを通して販売する市場と半々のシェアを占めるに至っています。しかも日本では現在、SIMフリーを総務省が主導していることから、今後は一層SIMフリーの市場が広がると考えています。
SIMフリーモデルの提供を、戦略変更とは考えていません。我々にとってMVNOは新しいパートナーと捉えています。新しいパートナー共に、市場ニーズに合った新しいビジネスを広げるという考え方ですね。日本のキャリアは非常に重要な顧客の1つですし、今後も重要視していくことに変わりはありません。
日本の端末に対する要求は非常に高く、特に品質面での要求は非常に厳しいものがあります。ですが弊社は数年にわたって日本でスマートフォンを提供してきた実績がありますし、製品の多くの部分に日本の優れた技術を持つメーカーが開発した部品を用い、さらに厳しい品質コントロールをして、品質を高めています。品質こそが他社との本質的な違いです。
2007年に初めて日本の端末市場に参入し、さまざまなことを学んで大きく成長できました。日本で得た品質要求の高さをグローバル製品にも取り入れており、そのことが端末事業を大きく成長させる基礎にもなっています。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」