日本は残された未開拓市場--ファーウェイがSIMフリー端末を販売する理由 - (page 2)

 弊社は1年のうち、グローバルで100モデル以上投入しています。それら全てを日本市場に持ち込むのは現実的ではありませんから、消費者のニーズを満たす製品を、市場動向を見ながら決めていく形になりますね。

  • 新たに投入された「Ascend P7」は、800万画素のインカメラや美白機能など、自分撮りに力を入れる

 日本ではSIMフリーやMVNOというと“格安”というイメージが強いですが、弊社が9月より提供しているラインアップは、グローバル向けのフラッグシップを多く提供しています。例えば「Ascend P7」はインカメラに800万画素を採用し、自分撮りに力を入れていますし、7インチタブレット「MediaPad X1 7.0」は、WUXGAの高精細ディスプレイを搭載しています。高い性能を備えながら、お求めやすい価格を実現しているのです。

 もっとも、投入する製品は必ずしもフラッグシップモデルに限りません。市場やパートナー企業の要求に応じて、ミッドレンジやローレンジのモデルも提供しています。

――SIMフリーモデルはキャリア向けのように日本向けのカスタマイズを施さず、そのまま投入しているのでしょうか。

 SIMフリーモデルはグローバルモデルをベースとしていますが、キャリア向けモデルと同様、統一された要求基準を満たしたものを提供しています。またSIMフリーモデルといえど、日本のバンド事情が影響してくることから、それらを解消した上で提供しています。

――SIMフリーモデルでは、どのような年齢層を狙っていますか。

 弊社でターゲットとしているのは20~50代ですが、幅広い製品を持つことから、特定の年齢層に絞るのではなく、幅広い層をターゲットとして製品を投入しています。

――「TalkBand B1」なども投入していますが、ウェアラブルデバイス全体がまだ盛り上がっていない中、投入したのには理由があるのでしょうか。

 日本市場はイノベイティブで、新しいものを受け入れる風土がありますから、市場を大きくするのには自信を持っています。ただし、それを実現するためには市場のニーズに合わせた製品と、消費者に受け入れられる価格設定が必要と考えています。

 過去の例で言いますと、(Pocket Wi-Fiなどの)Wi-Fiルータも、10年前の提供当初は、1年間の出荷台数が1万台に満たない状況でした。ですが3Gによる高速な通信が広がるという予測があったことから時間をかけて成長させていき、現在では弊社だけでも7000~8000万の出荷台数を誇るに至っています。


「TalkBand B1」を耳に付ける呉氏。バンドから外してヘッドセットにもなることから、ファーウェイ社内では“テレビ会議用の神器”と呼んでいるとのこと

――SIMフリーモデルの販売後、市場からはどういった反応がありましたか。

 予想以上にいいものがあり、自信が持てるようになりました。まだ日が浅いですが、8月に発売した新機種の売れ行きを見ながら、改めて市場の動向を調査していきたいと思います。

――8月にスマートフォンとタブレットの新機種を追加しましたが、今後どのような端末を投入していく考えでしょうか。

 スマートフォンやウェアラブルデバイスに限らず、今後はよりさまざまなバリエーションの製品を提供する可能性があります。ホームデバイスなども積極的に検討していきたいですね。

 ですが我々1社で商品を決めるのではありません。あくまでパートナー企業と一緒にニーズを研究した上で、市場の動向を見ながら商品を投入していくことになると思います。

――最後に、今後のSIMフリーに関する取り組みについて教えて下さい。

 MVNOの市場への展開を本格化することで、知名度を上げていきたいですね。海外ではハンドセットの出荷量が3500万に達するなど急速な成長を遂げ、ブランドの知名度も高めています。日本でもファーウェイが世界3位のメーカーで、手頃な値段で最高の体感を得られることを、知ってほしいと思います。


「IFA 2014」で発表された、6インチディスプレイを採用した「Ascend Mate7」。日本での発売は未定だが市場ニーズ次第で登場する可能性があるかもしれない

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