Appleが9月に開催したメディア向けイベントで「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」、そして、同社初となるウェアラブルデバイス「Apple Watch」が発表された。Appleが同社史上、最もパーソナルな製品として披露したのは、我々には馴染みのある腕時計型のデバイスApple Watchだった。この製品が持つ、Appleにとって、そして我々にとっての「意味」とは何だろうか?3つの意味を考えながら、考察してみた。
「馴染みのある」というのは、2種類の意味を持つ。1つは、1980年生まれの筆者にとって、腕時計は大人の象徴であった。小学生の頃に一時期だけ電車通学をすることになり、カシオの小さなデジタル腕時計を買ってもらった。腕にはめて通学すると、もう大人の気分!このときのうれしさを今でも忘れないが、そのくらい昔から身近にあった道具、という意味だ。
もう1つは、ウェアラブルデバイスとしての馴染みだ。こぞって各社がウェアラブルデバイスを発売しているのはご存じの通りだろう。筆者は2012年頃からUP by JawboneやNike Fuelbandを装着し、またLG G Watchも試している。腕に装着して活動や運動を計測したり、スマートフォンと連携したり、ちょっとした情報を見たりしている。このカテゴリに、満を持してAppleが参入したのだ。
Apple Watchについては、ガラスのブレスレットのようなイメージ図が出回っていたように、画期的なデザインを期待していた人も少なくないだろう。しかしApple Watchは腕時計らしい腕時計だった。筆者は奇抜かどうかよりむしろ、質感の面できちんと高級腕時計と対峙できるモノかどうかが重要だと考えていた。
実際に腕につけてみると、四角くシンプルで程よい重さのケースと、バラエティ豊かで「本物」の素材のバンドがラインアップは、時計として満足できる存在だったと評価できる。
驚くほどスムーズに回るデジタルクラウンと、プレスに対応して小さな画面での操作方法を充実させたRetinaタッチディスプレイ、そしてエレガントな振動を伝えてくれる「TapTic Enginen」。これらはApple Watchがデジタル的な要素を最小限に抑え、また触感という新たな感覚をコミュニケーションに持ち込む、非常にアナログを重視した製品であることにも気づかせてくれる。
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