日本マイクロソフトは10月1日、個人向けOffice「Office Premium プラス Office 365 サービス」(Office Premium)と「Office 365 Solo」の発表会を開催した。会場には、2月に米Microsoft CEOに就任したサティア・ナデラ氏が登場した。
ナデラ氏は、「日本は最もOfficeの利用が進んでいる国」と日本市場におけるOfficeの普及を評価。今回、プリインストールパソコンに搭載されるOffice Premium、店頭などで販売されるOffice 365 Solo(税別価格:1万1800円)、Office Premiumを搭載した「Surface Pro 3」を10月17日から販売し、さらにiPad用のOfficeを2014年中にリリースすると発表した。
Office Premiumは、購入したOffice Premium搭載PCを利用している間は、Officeデスクトップアプリケーションを永続的に無償で最新版のOfficeにアップデートできるほか、1年間有効のOffice 365サービスが付く。Office 365は、1TバイトのオンラインストレージOneDriveやマルチデバイスでのOffice製品(iPhone/Android/iPad)などが利用できる。2年目以降は税別5800円。
ナデラ氏は、「Office Premium、Office 365 Soloのリリースを機に、我々はさらにユビキタスな展開を進める。あらゆるデバイスで、あらゆる人々が我々のサービスを利用できる環境を提供していく」とし、CEO就任後から進めているマイクロソフト製品を利用できる環境の拡大に意欲を見せた。
ナデラ氏は就任以来アピールしてきた、“モバイルファースト”“クラウドファースト”戦略のベースとして、「我々が中心に置いているのは、デバイスではなく、あくまでも人。人間は朝起きて、家庭でXboxを利用し、会社に行けば会社内でパソコンをはじめとしたさまざまなデバイスに触れる。行動している間に、センサが稼働し、行動を支援していく。つまり、多くのコンピューティングパワーが働いている環境下で行動することになるわけで、それを実感するためにモバイルファーストのエクスペリエンスの実現、さらにそれを支えるインフラとしてクラウドが不可欠になる」と説明した。
モバイルファースト、クラウドファーストを実現するためには、「プロダクティビティの刷新を図る必要がある。2億台のセンサ、70万台のデバイスが稼働する中で最適化されたプロダクトが必要となる」とプロダクト改革に取り組むとした。
このプロダクト変革はすでにスタートしており、「例えば法人向けOffice 365に入っているPower BIなどもその一つ。最先端プロダクティビティによって人間のワークスタイル変革を実現する。Skypeで同時通訳ができるソリューションを提供することによって、人間が抱えてきたスタイルの変革が実現することになる」とアピールした。
プロダクトと共にマイクロソフトの大きな強みであるプラットフォームについて、「プラットフォームとはプロダクトだけを指すものではなく、取り組みであり、マインドセット」と説明。さらに、プラットフォームを推進を進めていく中で複数の利害が対立することから、「エコシステムを構築し、その仲介をしながらプラットフォームの構築を進める」と話した。
日本市場での成功については、「プラットフォームアプローチによって、日本のシステムインテグレーター、OEMパートナーなどエコシステムとプロダクトがうまく結びついた」とこれまでの実績を評価した。
プロダクトとプラットフォームの2つは、「これがマイクロソフトのDNA」と強いこだわりを見せたものの、「これを新しいコンテクストの中で実現する」とし、プラットフォームやプロダクトの中身は大きく変更していく意向を強調した。
日本以外の国では提供が始まっている個人向けのOffice 365を、いよいよOffice Premium、Office 365 Soloとして提供を開始する。日本マイクロソフト 代表執行役 社長の樋口泰行氏は、「ナデラ就任後、すごい勢いで社内が変化している。これまでの姿勢を改め、お客様第一で現実に即した製品を出していこうという方針で製品を提供していく姿勢に変化した」と説明。
今回のOffice Premium、Office 365 Solo、さらにはOffice for iPad日本語版の提供、すでに提供しているiPhone用、Android用Officeなども含め、マイクロソフトの変化をアピールした。
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