ヤフーとブックオフコーポレーション(ブックオフ)は9月26日、ネットオークションサイト「ヤフオク!」と中古本販売チェーン「BOOKOFF」を連携させたリユース体験店舗「ヤフOFF! フラッグシップストア 渋谷センター街店」を東京・渋谷にオープンした。同日はこれを記念したイベントが開催され、ヤフー代表取締役社長の宮坂学氏と、ブックオフ代表取締役社長の松下展千氏が思いを語った。
宮坂氏は、9月28日で「ヤフオク!」が15周年を迎えることについて触れ、第一号の落札物が自身のストーブだったことを明かす。また、日本では身の回りのモノを売るなどのリユース(再利用)を、年に1度でも経験している人が約半数しかいないとする調査結果を紹介し、環境や次世代のためにもリユースを当たり前のことにしなければいけないと強調した。
続いて松下氏は、渋谷センター街店を旗艦店とした理由について、「全国850店舗の中でも売り場が広くいろいろなサービスを提供できる。また、渋谷には情報発信力もある」と説明。2014年度末~2015年度頭にはリユース体験店舗を数店舗まで拡大したいと意気込んだ。
なお同日には、「BOOKOFF 自由が丘駅前店」内で、ブックオフグループの新事業として、ハグオールが運営するオールジャンルブランド買取の「総合買取受付窓口」を設置。この窓口で買い取ったものを、ヤフオク!などで販売するとしている。
ヤフーとブックオフは4月に資本・業務提携を締結した。すでに、全国のBOOKOFF店舗にある中古本やCD、DVD、ゲームソフト、携帯電話などをヤフオク!で販売する取り組みを展開しており、2016年度までにヤフオク!で1000万冊の中古本の取扱いを目指すとしている。
今回オープンした渋谷センター街店は、既存の「BOOKOFF 渋谷センター街店」をリニューアルしたものとなる。リニューアル前と同様に、中古本を中心とした買取販売を実施。また新たなサービスとして、従来のようなID取得や有料会員登録をせずに出品が可能な「ヤフオク!出品窓口」を設置する。
出品可能な商品は、ヤフオク!での落札見込み金額が5000円以上のもの。商品を窓口に持ち込むと、必要事項の記入と身分証明書の提示により申し込みが完了する。その後、スタッフが出品作業を行い、出品物が落札されると、手数料を引いた金額が指定の金融機関に振り込まれる仕組みだ。
手数料は、落札金額(税別)が5万1円以上の場合は25%(税込)、1万1円~5万円の場合は35%、5000~1万円の場合は45%。また、5000円未満の場合は2000円と、ネットのヤフオク!と比べるとかなり高い。この点について宮坂氏は、出品代行の人件費などが掛かっているためだと説明し、出品の手間よりも落札金額を優先する人は引き続きネットのヤフオク!を使ってほしいとした。
このほか、渋谷センター街店には商品バーコードを読み取れる専用のタブレットが設置されており、商品をかざすだけでBOOKOFFのスタッフがセレクトした約5000タイトルのレビューを閲覧できる。ただし、当初はスタッフが書いたPOPのような位置づけで、将来的にはネット書籍サービスのレビューなどの表示なども検討したいとしている。
さらに、税込108円の本を毎月3冊まで無料でもらえる「Yahoo!プレミアム」会員向けサービスも提供する。宮坂氏は「ヤフオク!を利用していない人も、本をもらいに立ち寄って欲しい」と語り、ヤフー会員が店舗に訪れる機会の増加を狙いたいとした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」