最近では、1時期に1つのECサイトだけにオーダーする、ということは少なくなってきているかもしれない。筆者の場合、Amazonを利用しており、米国でもPrimeを使うと2~3日で商品が届く。例えば浄水器の交換フィルタのように、メーカーが直接、旧時代的なECサイトで販売しているものは、配送までもう少し長くかかるだろう。あるいは半年前に投資したKickstarterの商品の到着も首を長くして待っている。
このように、複数のサイトで同時に注文をかけている状態が常だ。メールには配送のトラッキングナンバーが何となくいつ頃届くのかを把握してそのままにしてしまい、1度か2度、配送の受け取りをミスすることもある。Sliceでは、1つの画面でオーダー中の全ての商品が一覧でき、配送のトラッキングも一目で分かる仕組みを提供してくれる。
また商品が購入時より値下がりしていた場合、ECサイトに返品したり、差額のクーポンを求めたりすることもある。Sliceでは、購入した商品の価格の監視を行ってくれて、こちらも分かりやすく表示できる。あるいは、購入した商品が安全面の問題などでリコールがかかった場合、すぐに知らせてくれる機能も便利だ。
分析によって購買情報を取得することで、そのユーザーの購買情報と外部の情報を照らし合わせ、統合やアラートによるメリットを実現している。Brandy氏は「Sliceは購買に関して一覧し、一つ一つの細かいレベルまで確認することができる初めてのツール」と説明する。
実際に購買に関する情報の集約だけでも、メリットは存在している。しかしオーダー単位ではない、1年単位のより重要な情報もビジュアライズすることができる。例えば、「くつ」に関する購買は、年間いくら使っているのか、経年変化で増加しているのか否か、という情報を知ることができるのだ。
「クレジットカードや銀行の明細は、今月いくらお金を使ったか、ということぐらいしか分かりません。そこで、Sliceでは、自分の購買のトレンドがどこに傾いているのか、あるいはそのカテゴリの購買がどのように変化しているのかを把握することができるようにしました」(Brandy氏)
Sliceのモバイルアプリは、いつでも自分の消費を分析できるツールになった。AppleのApp Store内でも特集された優れたユーザーインターフェースを持っており、中でも「バブルUI」は、画面の中で円の大きさによって直感的にそのカテゴリの消費金額を把握することができる。
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