市場調査会社のIHSが「iPhone 6」を分解し、製造コストの試算結果を発表した。それによると、iPhone 6の16Gバイトモデルの製造コスト(部品コストを含む)は約200ドルで、大型の「iPhone 6 Plus」の製造コストはそれより高い約216ドルだという。
これらのコスト試算が正しければ、Appleは「iPhone」の売上総利益率を維持できるはずだ。iPhoneの売上総利益率は約70%で、スマートフォン市場の中で最も高いものの1つである。それは、Appleをこれほど利益率の高い企業にしている大きな要因でもある。ただし、ここ数年、材料コストが利益を圧迫する中で、各デバイスの売上総利益率は縮小している。
IHSのレビュー記事によると、AppleのiPhone 6の部品コストは、2013年の「iPhone 5s」モデルより約5ドル高いだけだという。発売当初、5sの2年契約なしの販売価格は649ドルだった。これは、iPhone 6の現在の販売価格と同じである。IHSの製造コストの試算結果は、修理サイトのiFixitが先週発表した同様の調査結果に続くものだ。iFixitは、NXPやQualcommなど、先週発売されたiPhone 6の製造に関わっている複数の部品企業も明らかにした。
Appleは5.5インチの6 Plusでは、より大きな利益率を確保できるようだ。IHSによると、4.7インチのiPhone 6に比べて、6 Plusの製造コストは約16ドル高いだけだが、小売価格は100ドル高いという。従来、AppleはハイエンドのiPhoneで大容量モデルを提供することで利益拡大を目指していたが、2014年にはそれに加えて、大型モデルも提供するようになった。
AppleはiPhone 6のメインプロセッサ「A8」のコンポーネントサプライヤーに関して、大きな変更を実行したのではないか、とIHSは述べた。IHSは従来のプロセッサと印字が異なることを指摘し、AppleはサムスンとチップファウンドリのTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)の両社にA8チップを発注するようになったのではないか、と述べている。Appleは以前、これらのプロセッサをすべてサムスンに発注していた。しかし、Appleは、同社とサムスンの一連の特許訴訟を受けて、そして、サムスンへの依存度を減らす手段として、今回の措置を実施したのかもしれない。
iPhone 6および6 Plusで使われているパーツのうち最も高価なものは、ディスプレイおよびタッチスクリーンで、45~53ドルする。2013年のiPhone 5sの場合、41ドルだった。バッテリは4~5ドル、16Gバイトメモリは15ドル、カメラは11~13ドルだ。その他コストのほとんどはコンピュータチップによるものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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