ロックバンドU2がTIMEの多岐にわたるインタビューに応じ、同バンドが新しいデジタル形式の音楽フォーマットの開発でAppleと手を組み、秘密のプロジェクトに取り組んでいることを認めた。アルバム全体を含めて、人々にもっと多くの音楽を買ってもらい、そのプロセスを通じて、販売に苦戦しているアーティストたちの収入を増やすことを目指すとしている。
TIMEは米国時間9月18日、同誌の公式サイトへの投稿に、「Bono氏はTimeに対し、開発中の新しいデジタル音楽フォーマットは、音楽ファンにとってたまらなく魅力的なものになり、彼らを再び、楽曲単位のみに限らずアルバム全体でも音楽を買おうという気持ちにさせるだろうと語った」と記した。
デジタル音楽が音楽業界に与えた影響は長い間、アーティストたちを苦しめてきた。著作権侵害は依然として大きな懸念事項であり、「iTunes」といったデジタルストアからの圧力もある。iTunesでは、1曲をわずか1.29ドルで購入する仕組みが主流だ。
U2のリードボーカルであるBono氏はTIMEの取材に対し、新たなデジタル音楽フォーマットは、ライブツアーのスタジアムを埋め尽くすほど多くのファンがいないアーティストたちを支援するものだと述べた。Bono氏によると、「ソングライターはツアーには出ない」という。
Bono氏が、Appleと新たなデジタル音楽フォーマットに取り組んでいると明かしたことについて、Appleは納得していない可能性もある。Appleは秘密主義なことでよく知られており、同社のプロジェクトに関与するすべてのサードパーティーにも同等に機密を守ることを望んでいる。
Appleにどのような不満があろうと、9日に開催された「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」「Apple Watch」の発表イベントで、AppleとU2がiTunesユーザーに提供した「プレゼント」をめぐる不満と比べれば、まだましと言えるだろう。Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏はこの発表イベントの最後にU2をステージに登場させ、すべてのiTunesユーザーがU2の最新アルバム「Songs of Innocence」を無料で提供されると発表した。U2のファンはこの無料アルバムの提供を歓迎したが、そうではない人も多く、彼らはAppleが欲しくもない人に音楽をダウンロードさせたとする苦情をウェブに書き込んだところ、ソーシャルネットワーク上で厳しい批判が展開されることになった。
Appleはこの騒動を受け、今週に入って、ユーザーがiTunesコレクションから問題のアルバムを削除できるようにするサポートガイドを公開した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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