Amazonの最高経営責任者(CEO)Jeff Bezos氏の所有する航空宇宙企業Blue Originが、United Launch Alliance(ULA)との提携を発表した。ULAは、Boeingと軍需企業Lockheed Martinの合弁企業で、衛星打ち上げ事業を手がけている。この提携の下、Blue OriginはULAの「Atlas」および「Delta」ロケット向けに新型ロケットエンジンの開発を続けるという。
「BE-4」と呼ばれるこのエンジンは、Blue Originが3年間にわたり開発を続けており、現在はテキサス州西部にある同社の施設でテストが行われている。一方、2006年設立のULAは、米国防総省や米航空宇宙局(NASA)にロケットを供給しているが、BE-4プロジェクトへの共同出資でこのエンジンの完成を速めたい考えだ。今回の合意は4年間の開発プロセスを対象としたもので、2016年に本格的なテストが開始されたのち、2019年に初飛行が実施される計画だという。
「今回の新しい協力体制は、ULAがAltaとDeltaという同社製ロケットシリーズの伝統と成功、そして信頼性を維持しながら、新たな国産エンジンに対する長期的なニーズに対応することを可能にするものだ」とBlue Originは声明の中で述べている。
この「(米)国産」という言葉は、今までとの違いを明確に示す重要なキーワードと言える。ULAのロケットはこれまでロシア製のエンジンに頼っていたからだ。だが、ロシアが3月にクリミアを併合して以来、ウクライナで紛争が続く中、米国はロシアへの制裁を何度も強化している。制裁の狙いは、ロシアのVladimir Putin大統領に対し、軍隊を撤退させ、ウクライナ人と親ロシア派分離主義勢力の緊張を緩和するよう圧力をかける点にある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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