私の職場は東南アジア

ミクシィに企業売却した女性起業家、2度目の挑戦--シナモン・平野未来さん

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 この連載では、シンガポール在住の筆者が、日本から東南アジアに拠点を移し、テクノロジ企業で働く女性を紹介していきます。赴任、転職、起業などさまざまなきっかけで新たなキャリアの一歩を踏み出した彼女たちに、仕事の奮闘や自身の将来、海外で暮らすことなどについて聞きます。

 今回紹介するのは、写真チャットアプリ「Koala(コアラ)」を提供するシナモン代表の平野未来さん。自身が創業したネイキッドテクノロジーを2011年にミクシィに売却した経験を持つ連続起業家で、東京大学在籍時には自身の研究がIPAの育成事業「未踏ソフトウェア創造事業」に採択されたエンジニアでもあります。

 現在は、主にアジアをターゲットに展開するKoalaの事業を推進すべく、スパイシーシナモンのグローバル本社であり地域統括拠点のあるシンガポール、開発拠点のあるベトナム、そしてこの6月に設置したマーケティング拠点のあるタイなどを飛び回っているそうです。そんな平野さんに自身のこれまで、そしてこれからのキャリアについて、タイで聞きました。


スパイシーシナモンの代表 平野未来さん

2度目の起業、1度目の苦悩

――2度目の起業とのことですが、なぜまた起業しようと思ったのでしょう。

 1度目(ネイキッドテクノロジー)は、周囲から求められることや、短期的に収益を得られそうなことに取り組んでいました(同社は、モバイルアプリをクラウド上で管理するためのフレームワーク「Colors」の開発などに携わっていた)。

 そうではない、自分のやりたいこと。私にとってそれは、大きく成長しうるもの、ユーザーの気持ちを変えるものを作ることであり、また当時できなかった、自分が作ったものを海外に輸出することにもチャレンジしてみたいと思ったからです。

――そのエネルギーは何に由来していますか。

 昔からウェブサービスの進化を見続けてきたことでしょうか。中でも強く影響を受けているサービスが3つあります。1つめは「Eメール」です。ポケットベルから携帯電話へと移行し、写真を交えながら海外とやりとりができるようになった時には感動しました。

 2つめは「匿名チャット」。学校であまり友達が多くなかった頃、自分の知らない人が集まるコミュニティで交流するのが楽しかったことを覚えています。3つめが「mixi」。友達が普段していることや、友達が誰と友達なのかを知ることができるのがとても新鮮でした。

――それを使うだけでなく、自分でも作ってみたいと思った理由は。

 高校生の頃、飛行機のパイロットになりたいと思っていた時期があったのですが、自分は背が低くてなれないことが分かったんです。だから自分は、飛行機を作る人になろうと考えたことがありました。いま思えばそれが、自分でも何かを作ることができると思った初めての体験かもしれません。だから自然と、大学でコンピュータサイエンス系の学部に行って、自分でサービスを作ろうと思ったのです。

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