ミクシィに企業売却した女性起業家、2度目の挑戦--シナモン・平野未来さん - (page 2)

写真チャットアプリで5億ユーザーを目指す

――今回はどのような事業に挑戦しているのでしょう。

 ウェブ上のコミュニケーションは、これからますますビジュアル中心になっていくと考えています。昔はEメールでのテキスト中心のコミュニケーションが主流でしたが、それがTwitterで短文になり、FacebookやPinterestで画像中心へと変わっていきました。

  • 「Koala」の利用イメージ

 同じことが、クローズドな場でも起こると考えています。2月に公開したアプリ「Koala」の特徴は、限られた友人と写真を使ってチャットができること。スマートフォンで撮影した写真をステッカーやフィルタ、フォントなどでデコレーションし、さらに音声を付けて送ることができます。

――なぜアジアをターゲットに展開しているのでしょう。

 大学生の頃、アジアでバックパッカーをしていたこともあり、現地の文化や、日本との差分を自分が理解しやすいだろうと感じていたからです。また、欧米、特に米国においては、競争があまりにも激しすぎるだろうとも思っていました。そして、実際にアジアに住むうちに、自分と相性が良く、とけ込んでいけると確信しました。

 アジアの人は本当にエネルギッシュです。若い人が多く、みんな明日の方が今日よりも良いと信じている。新しいことを始める時に、日本ではリスクの話をする場面が多いですが、こちらではそんなことはまったくありません。

――アジアではどのような活動をしていますか。

 ベトナムに1年間滞在し、開発チームを作っていました。初めの頃はベトナムのウェブ制作会社を通して人材を採用していましたが、うまくいかなかったため、優秀なエンジニアが集まるコミュニティに入り込んで、チームに参加してもらうよう口説いたりしていました。

 タイには半年から1年間滞在し、ユーザーを増やすためのコミュニケーション施策に注力する予定です。オンラインでの広告出稿やユーザーにお会いしてアプリを使って好きになってもらう草の根活動、スマートフォンにアプリをプリインストールしてもらうためのキャリアへの働きかけなどをしていきます。その間、各拠点とはビデオチャットなどで連携を図ります。


シナモンがタイの拠点を置くコワーキングスペース「HUBBA」

――今回の勝算と目指すイグジットは。

 目標ですが、定性的にはユーザーがサービスに中毒状態になっていて世界中で使われている状態です。特に重点としている国は、日本文化圏である日本、タイ、台湾です。定量的には3年で5億ユーザーを目指します。そのために、2014年から2015年の早い時期にかけて、先ほどの3カ国に本格的にサービスを進出させます。

 2月にサイバーエージェント・ベンチャーズ、TBSイノベーション・パートナーズ、インキュベイトファンド、Golden Gate Venturesから1億5000万円の資金調達をしました。次の資金調達は2015年を目処に、イグジットは3年後くらいに上場もしくは海外企業への売却を考えています。

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