コクヨグループのコクヨS&Tから、ノートをデジタル化できる新製品が9月5日に発売された。コクヨはこれまでも、CamiAppという、スマートフォン専用アプリで撮影することで簡単にデジタル化できるノート製品を多数発売してきた。しかし、今回発売された「CamiApp S(キャミアップ エス)」は、少し違う。CamiApp Sは、ユーザーがノートに文字を書いている時から、本体でその情報を読み取っておき、すでに読み取ってあるデータをアプリに転送するという方式だ。
筆者は、デジタルペンと呼ばれる製品を、今までにも何種類か使ってきた。最近のLivescribe 3から、昔のMVPenまで、使い勝手はさまざまだ。Livescribe 3の場合は、専用ペン、専用ノート、専用アプリの3つが必要であり、MVPenは、専用ペンと、ペンの軌跡を読み取る本体が必要だった。
精度は別として、CamiApp S本体、専用ペン、専用ノート、専用アプリの4つがそろってはじめて機能するCamiApp Sの使い勝手は、いったいどのようなものか。製品の詳細については、CamiApp S の公式サイトをご覧いただくとして、今回は、このCamiApp Sの使い勝手を中心としてレビューをお届けする。
CamiApp Sには、「ノートブックタイプ」と「メモパッドタイプ」の2種類がある。今回のレビューに使用させていただいたのは、ノートブックタイプだ。使用するノートは、A5サイズで、広げるとA4になる。そのノートを納めるためのCamiApp S本体は、A5サイズより一回り大きく、広げると、A4よりも大きいので、机の上ではかなり場所を取る。
ノートは「横罫」「5mm方眼」「打合せ記録」の3種類があり、Googleカレンダーと連携できるのは「打合せ記録」のみとなる。ただし、今回は何度試してみても「打合せ記録」ノートの読み込みでエラーが発生してしまい、Googleカレンダーの連携機能を試すことができなかった。Nexus 7とGALAXY Sの2種類のAndroidデバイスでペアリングし直してみたが、いずれの場合も読み取りエラーになってしまった。
CamiApp Sの箱を開けてから実際に使用できるようになるまでは、少々手間がかかる。まず本体に充電池をセットして、数時間充電する必要がある。次に、ボールペンの芯を専用ペンに差し込んだり、本体の粘着テープの剥離紙をはがしてノートをセットしたりする。その間に、スマートフォンに、CamiAppアプリをインストールする(Android版とiOS版の両方が用意されているが、NFCの機能を使うには、Androidデバイスが必要)。Androidの場合は、CamiApp S設定用のアプリもインストールする必要がある。
CamiApp Sが充電できたら、電源を入れ、BluetoothでCamiApp Sとスマートフォンをペアリングする。さらに、ノートの種類をCamiApp S本体に認識させるために、ノートの表紙裏にある説明に従って設定を行う。そのほか、アクションの種類をCamiAppアプリに登録する必要もある。ここまでやって、ようやく、ノートに書き始められるというのは、手間が煩雑すぎるのではないか。後々の利便性を考えてがまんするにしても、もう少し設定の流れを分かりやすく、簡潔にするべきだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス