ここまで苦労してもCamiApp Sを使うメリットは、保存されたノートをCamiAppに読み込んだときにようやく実感できた。単にJPEG画像として保存するだけなら、従来のようにCamiAppシリーズのノートにお気に入りのペンで書いて、写真を撮って保存した方がよっぽど楽だし安く済む。
しかし、CamiApp Sを介して保存したノートは自動的にOCRにかけられて、CamiAppのコメント欄に、編集可能なテキストとして保存されるのだ。Evernoteとの連携を設定してあれば、Evernoteのノートには画像とテキストの両方が保存されるので、PCなどの他のデバイスで、このテキストを元に原稿を書いたり、議事録を作成したりといった編集作業がしやすくなる。
ただし、Dropboxなどのストレージサービスに保存したり、写真として保存したりするアクションの場合は画像のみが保存され、テキストはCamiAppアプリにしか残らない。ノートを取った後、テキストを編集するならば、Evernoteとの連携は必須かもしれない。Evernoteと連携すると、保存先のノートブックを指定できるほか、タグも指定しておくことができる。Evernoteと連携してこそのCamiApp Sのようだ。
ノートをただ画像として保存するだけでなく、テキストとして使いたいという人には、CamiApp Sは検討する価値があるが、素敵な文房具を持つ喜びという観点からは、あまり興味を引かれないのではないか。まず、ノートブックタイプは、女性の筆者が片手で持つには、ごつくて重い。また、黒一色のカバーはビジネスシーンには向いているのかもしれないが、威圧感がある。内側のビニール部分も、安っぽく感じられて残念だ。
専用ペンの形は実用重視なのだろう。今どきはおしゃれなペンがたくさんあるし、コクヨからも発売されているのだから、もう少し高級感のある形にならなかったのだろうか。書き心地はさすがに滑らかでインクの滑りは良いが、書くときに若干押し込む感触があり、カチャカチャ音がするので、静かな会議では結構気になるのではないか。ノートを粘着テープで貼り付けて固定するという方法も、もう少し、スマートな方法はないものかと思う。
正直に言って、ノートブックタイプは、普段使いにはあまりに大げさすぎる。本体が2枚に分かれている分、ノートを挟むと、2.5cmほどの厚みになり730gにもなる。これはノートを取るための道具としては重すぎる。おそらく、メモパッドタイプの方が使い勝手が良いのではなかろうか。
メモパッドタイプなら460gとだいぶ軽くなり、厚みも本体1枚分減る。ノートを取るという目的なら、何も「ノートブック」形式でなくても良い。OCR機能はかなり優秀なので、実用的には十分にお勧めできるが、購入するなら、メモパッドタイプがいいだろう。
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