米連邦地方裁判所判事は、米国外に保存されたデータの提出をMicrosoftに求める命令の執行を一時的に停止していたが、執行停止を解除する命令を出した。
米連邦地方裁判所のLoretta Preska判事は、アイルランドのサーバに保存された顧客の電子メールの提出を求める連邦令状に従うようMicrosoftに求める命令を出し、その執行を一時停止していたが、米国時間8月29日、執行停止を解除する命令を出した。
しかし、Microsoftは30日、その命令に従う意思がないことを認めた。それにより、同社は法廷侮辱罪に問われる可能性がある。
Reutersが報じたように、Microsoftは「上訴する予定」で、現在、控訴裁判所で命令を覆してもらうための取り組みを行っている。
Microsoftは自社の顧客を守るため、合法的に令状に異議を唱える、と公の場で確約してきた。顧客の電子メールには、米国の郵便物や電話の内容が現在享受しているのと同じ法的保護が適用されるべきだ、と同社は主張している。本件では、それほど基準が厳格ではない交信保存法(Stored Communications Act)の下で令状が出された。
米国テクノロジ業界の一部の企業にとって、本件は今でも極めて重要な意味を持つ。
再度開示命令が出された本件において、ほかのテクノロジ大手企業がMicrosoftに救いの手を差し伸べている。Verizonは、自社の米国外のデータも危険にさらされるのではないかと危惧し、Microsoftを支持する法廷助言書を提出した。AppleとAT&T、CiscoもMicrosoftを支持した。
内部告発者のEdward Snowden氏が流出させた情報によって、米国家安全保障局(NSA)のさまざまな行為が白日の下にさらされたが、MicrosoftとVerizon、Ciscoはすべてその影響を受けた。
Preska判事の命令によると、本件が可能な限り早い時期に米連邦第2巡回区控訴裁判所への上訴で審理されることをMicrosoftと米連邦政府の双方が求めているという。
しかし、連邦政府とMicrosoftは上訴に向けた次の手順について、異なる考えを持っている。
命令は現在の段階で上訴できるものではない、というのが連邦政府の主張で、Preska判事はそれに同意している。29日に出された命令によると、Microsoftが法廷侮辱罪に問われるかどうかは控訴裁判所で精査されるという。命令によると、上訴に向けた手順に関する双方の見解の相違は、「激しい議論の対象」になっているという。
政府がそれらのデータを求めている事案の詳細は、明らかにされていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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