フランスに本社を置くParrotの小型ドローン「MiniDrones Rolling Spider」を、その外見から単なる小型のクアッドコプターだと考えてしまうのは簡単だ。しかも100ドル弱という価格は基本的なクアッドコプターが30ドル未満で手に入ることを考えると高く感じられる。
しかし外見とは裏腹に、この製品は通常の小型クアッドコプターとはひと味違っている。まず言えるのは、Rolling Spiderをコントロールするには2本のスティックが突き出た一般的なプロポ(ラジコン用送信機)ではなく、スマートフォンやタブレットを使うという点だ。次に言えるのは、飛行時間が8分以下(同梱されている充電式バッテリ1個のバッテリ持続時間)であるという最大の問題を除けば、全般的にとても楽しめる製品であるという点だ。
この製品は超音波センサと3軸ジャイロスコープ、3軸加速度センサ、真下に向けられたカメラ、気圧センサを搭載しており、これらを組み合わせることで屋内・屋外を問わず非常に安定した飛行が可能になっている。
また、Rolling Spiderにはホイールが付属してくる。製品名に「Rolling」という言葉が含まれているのはそのためだ。このホイールの車軸部分を本体上部にはめ込むと、地面を走り回らせたり、壁を上って天井を走行させることもできる。ホイールによって楽しみ方に幅ができるというわけだが、屋内で飛行させる際の弱点とも言えるプロペラ部分を保護するという、より重要な目的を持っているのかもしれない。
なお、この製品には予備のプロペラが付いてこないため、いくつか余分に購入しておくようお勧めする。製品には本体とホイールの他、バッテリ1個、Micro-USBケーブル、ドローンを個性的にするための複数のステッカーが付いてくる。9月にはアクセサリとして、バッテリ(1個20ドル)、プロペラ(1組6ドル)、予備のホイール(10ドル)が発売される予定だ。
Parrotのより大型のクアッドコプター「AR.Drone」と同様、Rolling Spiderはスマートフォンやタブレットのアプリを用いてコントロールするようになっている。この「FreeFlight 3」アプリは「iOS」と「Android」に対応しており、10月には「Windows 8.1」と「Windows Phone 8.1」にも対応する予定だ。なお筆者は、「GALAXY S4」と「iPhone 5s」でテストを実施した。
スマートフォンやタブレットとの接続はBluetoothによって実現されている。操作方法は極めて直感的なものとなっている。Rolling Spiderの電源を入れ、デバイスのBluetoothを有効にし、アプリを起動するだけだ。これで自動的にRolling Spiderと手持ちのデバイスが接続されるため、後はコントローラを使って離陸させればよいというわけだ。
飛行の際にはホイールを取り付けてもよいし、取り付けなくてもよい。TAKE OFF(離陸)ボタンをタップするとプロペラが回り始め、Rolling Spiderは垂直に離陸してホバリングする。他のクアッドコプター製品とは異なり、Rolling Spiderは箱から出した状態でこういったことが可能になっている。トリムなどの調整をしなくても、ホバリングできるのだ。これがRolling Spiderの操縦しやすさの理由と言える。
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