仏Parrotは、ラジコンヘリのような操縦が可能なドローンの小型版である「Rolling Spider」と地上走行型ロボット「Jumping Sumo」を、日本を含む世界で8月中に同時発売すると発表した。ネットワーク型ロボット製品ラインアップ「MiniDrones」に属するもので、いずれも専用アプリ「FreeFlight 3」を使い、スマートフォンやタブレット端末で操縦ができる。
Rolling Spiderは、屋内外で安定して高速飛行ができるコンパクトなドローン。前後左右に宙返りができるほか、取り外し可能なホイールをつければ床から天井まで走らせることができる。価格は1万2800円。
機体の下には60fpsのカメラが取り付けられており、スナップショットを撮影し、1Gバイトのフラッシュメモリに記録できる。内蔵のMicro-USBコネクタを経由し、PCにスナップショットを転送することも可能だ。なお、このカメラは飛行時の安定動作にも役立っており、地面の画像を一つ前のものと16ミリ秒ごとに比較し、本体の飛行速度を決めているという。
モーターが停止している時に機体を空中に放り投げると、モーターが自動的に起動。専用アプリによる指示があるまで、空中に安定して漂う機能もある。
そのほか技術的な面では、3軸加速度計と3軸ジャイロスコープが、ドローンの動きや傾きを一つひとつ測定して分析する。また、4メートルまでのフライト高度は超音波で分析しており、4メートルを超える高度では、圧力センサーがドローンの高度を制御するという。
操縦は無線通信規格のBluetooth Smart(4.0)を経由して行う。操縦に使用するスマートフォンやタブレットとRolling Spiderとの接続は自動的に確立され、周辺機器の検索やコードの入力は不要。屋外での最大通信距離は20メートルとなっている。
Jumping Sumoは、ジグザグ走行や回転、ジャンプなどができる2輪車型ロボット。ジャンプは特許取得済みの「スプリングマウントシステム」によるもので、最大80cmの高さまで跳ねることができ、必ずホイール部分で着地するようになっている。フルスピード時は毎秒2メートルで走行する。価格は1万9800円。
2つの格納式タイヤを備えており、タイヤを広げれば高速での安定走行が可能となり、格納すれば、敏しょう性が増し、狭い場所もすり抜けられるようになる。また広角カメラを搭載しており、操縦に使用するスマートフォンやタブレットの画面には、Jumping Sumoの視点の映像がライブストリーミング配信される。Micro-USBスティックを事前に挿入しておけば、写真や動画を撮影し、保存することも可能だ。
さらに4つのWi-Fiアンテナを搭載しており、 MIMO(Multiple Inputs Multiple Outputs)形式で、2.4GHz/5GHzの周波数帯を管理できる。つまり、ネットワークの干渉状態に応じて周波数帯をパイロット自ら選択し、より無線到達範囲の広いほうを利用できる。
専用アプリの機能「Road Plan」を使えば、コースやアクションをプログラミングできる。アプリへの入力が終わると、Jumping Sumoの決まった動きの中から走行予定が表示され、「new」アイコンをクリックすると自動走行を始める。
両製品とも3色展開で、Rolling Spiderが赤/青/白、Jumping Sumoが黒&赤/白&黒/カーキ&黄。どちらもステッカーが付属し、自分好みにスタイルを変えられる。専用アプリ「FreeFlight 3」は当初、iOS版とAndroid版を提供。10 月にはWindows 8.1/Windows Phone 8.1版も公開予定だ。
両製品の電源は、充電可能な550mAhリチウムポリマーバッテリ。稼働時間はやや短めで、Rolling Spiderが約8分、Jumping Sumoが約20分。予備バッテリの販売は予定していないという。
Parrotの地域担当バイスプレジデント兼マネージングディレクターのChris Roberts氏によれば、両製品はLinuxに対応しており、開発者向けにSDKを提供する。追加アプリなどが開発されれば遊び方の幅が広がることになる。
発売は8月中だが、7月中には予約を開始する。アップルストアや家電量販店のほか、Amazon.comなどのオンラインショップで販売する予定だ。
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