Appleは中国ユーザーのパーソナルデータの一部を、China Telecom(中国電信)が所有する中国本土のサーバに保存し始めたという。Reutersが米国時間8月15日に報じた。
Appleの声明としてReutersが報じたところでは、Appleは同社の「データセンタープロバイダーのリスト」に、中国で3番目に大きい携帯電話キャリアであるChina Telecomを追加した。Appleによれば、これはユーザーが写真、音楽、その他のデータを複数のデバイスから保存し、アクセスできる「iCloud」のサービスを改善するための決定だという。iCloudのユーザーに近い場所に保存すればデータをより迅速に届けることができ、信頼性も高まると、AppleはReutersに対して述べている。
中国本土でデータを保存するというAppleの決定は、他のテクノロジ企業の一部、特に検閲とプライバシー保護への懸念から中国にデータを保存することを拒否しているGoogleとは、異なる道を進もうとするものだ。Googleは、検索結果の検閲に関して2010年に中国政府に対し公然と異論を唱え、最終的にはサーバを香港に移している。
中国が現在もユーザーデータに関する議論の「震源地」であることに変わりはない。中国は、他国の政府や企業のサーバをハッキングしてデータを盗もうとしたとして、何度も非難されている。また、中国はユーザーデータをすべて同国内に保存させようとすることでも評判が悪い。中国政府はそれを法規の定めによるものと主張するが、批判的な人々は、政府が国民の個人情報にアクセスしやすくするためと考えている。
Reutersの報道によるとAppleは、そうしたデータは複雑に暗号化されており、China Telecomあるいはその他の誰にもアクセスできないと述べたという。さらにReutersは、匿名の情報筋の話として、Appleはそれらのデータの暗号化キーを別の国に保存していると報じた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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