高級ハイヤー配車サービス「Uber」が日本に上陸して以来、スマートフォンを活用した配車サービスが注目を集めている。ネットサービスやアプリは東京発であることが多いが、スタートアップ国家戦略特区に選ばれた福岡でも、7月に新たな配車サービスが産声を上げた。
その名は「Veecle!(ビークル)」――わずか2タップで自宅までレンタカーを届けてくれるスマートフォン向けサービスだ。7月から福岡市で試験提供を開始しており、今秋にも正式サービスを開始する予定。まずは福岡市と北九州市で提供するが、利用状況を見ながら東京などへのエリア拡大も検討するという。
Veecle!の強みは、あらかじめ免許証やクレジットカード情報を登録しておけば、クルマの「ボティタイプ」と「利用時間」を選ぶだけで、指定の場所にレンタカーを呼べること。ただし、Uberのように即時配車ではなく、最低6時間前に依頼する必要があるため、朝から使いたい場合は前日の予約を推奨している。
気になる料金は、たとえばコンパクトカーの24時間利用であれば、配車と引き取り、さらに免責補償料も含めて、一般的なレンタカーサービスと同等の8000円程度。また通常のレンタカーと違って、ガソリンを満タンにして返す必要もないという。サービスを運営するリーボの創業者である松尾龍馬氏によれば、提携するレンタカー会社で使われていない“空き車両”を貸し出すことで、この低価格を実現しているそうだ。
そのため、車種にはこだわらず、コンパクトカーやワンボックス、セダンなど、用途にあわせたクルマが使えればいいという人をターゲットにしている。クルマの配送と引き取りは、レンタカー店舗間でクルマの移動などを請け負っている車両回送業者に依頼しているという。
Veecle!には、8月6日時点で200人以上のテストユーザーが登録している。早朝にコンパクトカーを借りて1泊2日の旅行へ行ったり、オープンカーで趣味のドライブを楽しんだりといった用途で使われているという。中には、会社員が指定のホテル近辺からVIPの福岡観光案内に使うといった事例もあるそうだ。
実際に利用したユーザーからは、煩わしい手続きなしに予約できる点が好評だった一方で、返却時の引き取りにはそれほどニーズがなく、提携レンタカー店舗で自主返却を希望する声が多く寄せられたことから、秋の正式公開までに反映させたいとしている。
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