スマートフォンアプリから黒塗りのハイヤーを呼べるサービス「Uber」を提供するUber Japanは、アプリ内で新たに「タクシー」を呼べるサービスを8月5日16時から提供することを発表した。ハイヤーは引き続き渋谷や六本木などの都心エリアでしか利用できないが、タクシーについては各タクシー会社と連携することで、東京都内であればどこでも呼べるようになる。
従来のハイヤーを配車する「UberBLACK」に加えて、新たに提供するのはタクシーを配車する「uberTAXI」と、ハイグレードタクシーを配車する「uberTAXILUX」の2種類。uberTAXIはアジア地域で初、uberTAXILUXは世界初のサービスになるという。
タクシーは、運転手がUberの専用アプリをオンラインにした場合のみアプリで呼び出せる。これにあわせて、Uber Japanでは連携するすべてのタクシー会社の運転手にアプリをインストールしたiPad miniと、予約用のフィーチャーフォンを配布したという。
uberTAXIの料金は、通常のタクシーのメーター料金に各社の迎車料が加わった金額となる。uberTAXILUXは、トヨタクラウンロイヤルシリーズやBMW 7シリーズなどハイグレードなタクシーが利用でき、メーター料金と迎車料に加えて追加料金として一律500円がかかる。降車後は、ハイヤーと同様に登録したクレジットカードに請求がいくため財布は不要。その後、領収書がメールで届く。
ハイヤーであればUberの独自性を保てるが、タクシー配車アプリはすでにタクシー会社各社が提供している。例えば、日本交通が2011年12月より提供している「全国タクシー配車」アプリは120万ダウンロードを超え、売上は40億円を超えているという。こうしたアプリとどのように差別化するのか。
この点について、Uber Japan執行役員 社長の髙橋正巳氏は、リアルタイムに到着までの時間や車の位置が確認できること、ドライバーへの連絡、割り勘機能などによって優位性は保てると説明する。また、東京のタクシーの乗車率は43%であり空車の時間も多いことから、パートナーにとっても新たな選択肢になるとの見方を示した。
Uberは現在42カ国、158都市で提供されているという。日本では2013年11月から試験的に提供し、3月に正式にサービスを開始した。ただし、実績や提携するタクシー会社は非公開としている。またサービス開始から半年も経っていないが、初代社長を務めた塩濱剛治氏はサービス立ち上げの役目を終えたとして退任。元ソニーの髙橋氏が7月に新社長に就任した。
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