米連邦地方裁判所判事が、Apple、Googleなどシリコンバレー大手各社が絡んだ非勧誘協定をめぐる訴訟において、既に合意された3億2450万ドルでの和解金の額が低すぎるとして、これを却下した。
カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所サンノゼ支部のLucy Koh判事は米国時間8月8日、特に、原告側がこれらの企業に対して起こした訴訟の重大さから考えると、和解額はこの金額よりも引き上げるべきだったと述べた。
Koh判事は裁定の中で、これらの企業を結び付けた「有力な証拠」について言及し、さらにIntelやAdobeも含めた被告側が、互いに従業員の引き抜きを行わないよう共謀したとされる件で重要な役割を果たしたと指摘した。「この非勧誘協定の作成と実施でカギを握っていた人物」には、AppleのSteve Jobs氏、GoogleのEric Schmidt氏、Intuitの会長であるとともにGoogleのアドバイザーを務め、先日Apple取締役を辞任したばかりのBill Campbell氏が挙げられている。
特にJobs氏については、「この共謀の疑いにおいて、唯一とは言わないまでも、中心的人物の一人」であるとする「実質的かつ有力な証拠」が存在すると、Koh判事は述べた。原告側が提出した証拠には、計画について話し合うためにJobs氏やSchmidt氏などIT幹部らの間でやり取りされた電子メールが含まれている。
Apple、Google、Intel、Adobeは4月、非競争的な雇用慣行を実施して賃金を低く抑えているとしてこれら企業を訴えていた従業員らと合意に達した。企業側は翌5月、総額3億2450万ドルの和解金を支払うことを明らかにし、費用がかかり長期化の可能性があった同月末より開始予定の裁判を回避した。
Koh氏は8日の裁定で、この和解条件に従い、本集団訴訟の対象者となる従業員は平均で約3750ドルを受け取ると述べた。Koh氏は、Lucasfilm、Pixar、Intuitの3社が1年前に合意した和解額と比較した場合、被告側の残る4社との和解によって本集団訴訟の原告側が受け取る金額が少ない点を憂慮したと述べた。Koh氏はまた、原告側の訴えが大きくなっているにもかかわらず、今回の和解で提示されたレートは低いとしている。
残る被告側のApple、Google、Intel、Adobeの各社が、先に和解に合意した3社と同程度かそれ以上のレートで和解したなら、総額は少なくとも3億8000万ドルとなるはずだと、Koh氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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