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Hulu×日テレの先行配信に見る放送と通信の“勝ちパターン”とは - (page 2)

加納恵 (編集部)2014年08月19日 10時00分
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--日本テレビでは独自の動画配信サービス「日テレオンデマンド」も運営されています。Huluとのすみ分けはどう考えていますか。

  • 日本テレビ放送網 インターネット事業局インターネット事業部担当部次長の山川洋平氏

 山川氏 :日テレオンデマンドでは、都度課金制度による番組配信を実施しています。そのほか一部のドラマやバラエティに関しては放送直後から1週間の期間限定で無料配信するサービス「日テレいつでもどこでもキャンペーン」も実施しています。テレビは無料で見るものという意識が高い中、お金を払って見ていただくハードルはまだ高いと思っています。ドラマは都度課金でも需要がありますが、バラエティは定額制の方が向いているのではないでしょうか。

 加藤氏 :一部の作品や特別な回を除いて、バラエティは「どうしてもこの放送分が、放送後に見たい」という欲求がドラマに比べ少ないですからね。逆にHuluではバラエティを提供したことによって、新しい発見がありました。

 ネリさまぁ~ずを配信する前から「東野・岡村の旅猿~プライベートでごめんなさい~」(旅猿)を提供していますが、再生回数がかなり伸びました。調査したところ、スマートフォンで見ている方が非常に多かったんですね。旅猿は23分程度の短尺番組で、通勤途中に見るのにちょうどいい。ちょっとした空き時間に軽いものを見たい時にバラエティは非常にいいコンテンツだということがわかりました。

放送と配信は喰い合うのではなく“循環”するもの

--先行配信におけるHulu側のメリットはかなり感じますが、日本テレビ側にはデメリットもあるのではないでしょうか。

 山川氏 :先ほども申し上げた通り、視聴率についてはそれほどマイナス影響が出るとは今のところ考えていません。今回私たちが狙っているのは、配信と放送における循環の輪を大きくすることです。

 配信で見た人が番組の評判を伝えることでテレビを見る人が増える。逆にテレビを見逃した人が配信を見る、そうした輪を広げていきたいのです。ドラマの無料配信をしていた経験からも言えることですが、再生回数がそれなりに多かったドラマでも視聴率が極端に下がる傾向は今のところ見られません。逆に視聴する場所や機会を増やすことで、テレビの視聴者に好影響を与えているという考え方も社内にはあります。

 放送と配信は喰い合うものではなくて、循環していくもの、というのが我々の認識です。その理屈から考えると見逃し配信も先行配信も視聴者が一番見たいときに出すのが一番いいだろうと、それにつきます。

 加藤氏 :配信事業を運営していて感じることなのですが、たくさんの方にご覧いただくことが、コンテンツビジネスとして最も大きくなることなんだと考えています。たくさんの方がご覧になりすぎて、ビジネスがシュリンクしていくことなんて絶対にありません。例えば映画館での興行収入が高かった映画作品は、DVDなどのパッケージでの視聴も多いですし、配信での視聴数も多いです。また、テレビ放送時の視聴率も高いのではないでしょうか。

 やはり見られているものが大きなビジネスにつながっていくのであって、見ていただける環境を作ることで新しいコンテンツやビジネスの底上げにや拡大に繋げられる。日本テレビとはこの部分を一緒にやっていきたいと思っています。

  • 「日テレオンデマンド」では都度課金制のコンテンツを中心に、期間限定でのドラマ無料配信などを展開している

 山川氏 :また、オフィシャルで配信することは違法投稿対策としても有効です。日本テレビでは深夜に放送しているアニメ作品を、放送直後または放送と同時配信を実施していたのですが、配信することによって違法投稿の数がかなり減りました。

 違法投稿はいくら視聴者が多くても、テレビ局にも配信事業者にも権利者にもなんの利益も生み出しません。しかし我々がきちんと管理して配信すれば、それぞれにきちんと利益を配分する仕組みが作れます。そうした意味からも配信事業をきちんと行うことのメリットは大きいです。

 こうした利益配分の仕組みをきちんと権利者に伝えることで、先行配信や同時配信といった、新しい配信の取り組みに理解を求めています。

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