デジタルハイビジョン放送が広く受け入れられた最大の要因はそこにある、と言っても過言ではありません。決して広くない部屋でも40~50インチの大型テレビを設置できる、いわば生活環境の改革。4K、8Kが受け入れられるためにも、同じようなインパクトのある環境変化が求められると考えます。
あるいはグラビア雑誌や美術出版をしのぐような高画質の4K、8Kタブレットのようなものが普及すれば、コンテンツ流通はもちろん、多くの産業、サービスを一変させる可能性があります。
具体的なデバイスやテレビの形状については私のイメージでしかありませんが、テレビと呼ぶかどうかはともかく、とにかく今までとは違う、全く新しい映像端末が求められていると思います。NHK技研をはじめ、素材メーカーや端末メーカーにはぜひ、研究開発や実用化に頑張ってほしいと思います。
ディスプレイの革新と同様、そうしたスマートテレビサービスと4K、8K放送を融合させることは普及のための必須条件でしょう。繰り返しますが、ただ映像が美しくなりました、だけではなかなか評価していただけない時代です。
新しい付加価値を求める中、一斉同報に適した放送と、個別ニーズやユーザーからの発信、ユーザー同士のコミュニケーションに優れたこれまでにない4K、8Kサービスも必要になるでしょう。
放送は最先端技術を活用した文化でありサービスだと申し上げましたが、4K、8Kにしろスマートテレビにしろ、技術先行でそのサービスを実施すること自体が目的となってはいけません。あくまでそれがジャーナリズムやクリエイティブの機能やサービスとして、視聴者や国民に新しい価値を提供し、受け入れられることが大前提です。
最先端という触れ込みで登場しながら、必ずしもうまくいかなかったサービスは多くあります。逆に人々に受け入れられることができれば、誰がどんなにブレーキをかけても一気に進展していきます。インターネット、SNS、スマートフォンやタブレットなど、そうした事例もまた数多くあるのです。
NexTV-Fも含め、次世代のテレビサービスを推し進める立場としては、国のロードマップがあるからそれに沿って粛々と進めていくということではなく、視聴者や国民に喜んでもらえるサービスを構築していけるよう努力していく考えです。
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