Lenard氏は、同社のアジア太平洋およびアフリカでのマーケティングを担当するバイスプレジデントを3年間務め、グローバルな視点を培った後、同社の国内におけるマーケティングを進めていくために米国に帰ってきた。同氏は現在、ミシガンに戻り、同社の現行製品向けの市場参入(GTM)戦略とともに、今後の製品のロードマップに利用するためのマーケティングデータの利用に責任を持っている。これらの責任をまっとうするには多くのデータ、そしてそういったデータすべてから有用な洞察を得るためのITツールが必要となる。
「目的を達成するためのツールはまだ開発中だ」と述べるLenard氏は、「このためメディアは、われわれが大いに興味を引かれている領域の1つとなっている。特にデジタルなメディアを用いた場合には、その効果などが追跡、定量化できるようになるため、過去のメディアと比較して『うーむ、デジタルは本当に効果的なのか?』といったことが言えるようになる。実際のところテレビを通じたマーケティングが効果的だったかどうかは分からないままだが、われわれは異なった基準を持っていた。このため、今こそが発展に向けた真の機会と言える」と語った。
Lenard氏は「私は、デジタル空間におけるわれわれのメデイア効率を評価することに力を注いでいるものの、顧客の心をよりしっかりとつかむための技術にも関わっている」と付け加えた。
マーケティングデータを使用して、Fordが製造する次世代の自動車を広報するという場合、マーケティング部門は顧客が直接使用するテクノロジの意思決定プロセスにも関与することになる。こうした意思決定は従来であれば最高技術責任者(CTO)が担っていた。Lenard氏と同氏のチームはFordの自動車やトラックに対して、顧客が接続性の向上やコンシューマーテクノロジの統合という観点で何を望んでいるのか(あるいは望みそうなのか)について焦点を当てている。
Lenard氏は「(その後で)接続性に優れた自動車という領域が生み出される。われわれは皆、そこに注目している」と述べ、「こういった自動車が実現された時、コンシューマーは何を望むのだろうか?既に携帯電話で実現されているものごとと、どう違うのだろうか?両者はどのように連携し、どのように補完しあい、どのように差別化でき、それはエクスペリエンスにおいてどれほど重要となるのだろうか?われわれは、今後とても重要になると考えている。人々は、馬力やドライビングダイナミクスではなく、接続性に関する説明を望むようになるはずだ。このようなものごとすべてが生み出されつつある今が、とてもエキサイティングなのだ」と述べた。
これらすべての点において、Lenard氏のマーケティング部門はIT部門やCIO、CTOと競合しているわけではなく、今まで以上に密接な連携を実現している。Lenard氏によると、同社の「One Ford」戦略はコラボレーション文化の原動力となり続けているのだという。
「そこがFordの長けているところだと考えている。われわれはIT部門や製品開発パートナーとともに協力して作業を進めているものの、未来の自動車に何が起ころうとしているのかや、マーケティングでテクノロジをどのように使っていくのかという視点で日々会話を続ける必要がある。IT部門はシステムと、われわれが収集したデータ全体をどのように関連付けていくのかという点でエキスパートだが、われわれがそれを最終的にどのように使いたいのかについて彼らの理解を促すのは、ビジネスユーザーとしてのわれわれなのだ」(Lenard氏)
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