[ブックレビュー]デジタル化がもたらす第3次産業革命を見逃すな

NHK出版
詳細:単行本 / 320ページ / NHK出版 / 価格:1995円 / 著者:クリス・アンダーソン / 監修:関美和 / 発売日:2012/10/23 / 外形寸法 (H×W×D):19.0cm×13.4cm×3.0cm / 重量:0.5 kg
内容:あらゆるものがデジタル化、小型化され、さらに世界規模でアイデアの共有が可能になった現在、製造業は大企業だけのものではなくなった。誰でもが“MAKER”になることができる時代、第3次産業革命はどんな変化を引き起こすのか。
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 第3次産業革命は、今、起きつつある。コンピュータが発明され、インターネットが普及したことそのものは産業革命ではない。しかしデジタル技術によるものづくりが、人の手によるものづくりと融合して起こることは産業革命であり、それは現在進行中の出来事だ。なんという時代に我々は生きているのだろう。

 資本を持つ大企業でなければ、アイデアを製品にすることはできなかった。しかし現在は工具は小型化し、誰でも手軽に手に入れられるようになった。画面上でアイデアを設計し、広く共有できるようになり、資金を世界規模で募って製品化することも簡単だ。

 その好例の一つとして、筆者は「Kickstarter(キックスターター)」を挙げている。アイデアに対するファンをウェブサイト上で募り、出資してもらい、目標金額が集まったところで製品化する。製品化するのに巨額のリスクを伴うこともない。

 さらに、ものを作るための工房が身近になった例として、印刷の世界に革命をもたらしたデスクトップパブリッシング(DTP)をもじって、デスクトップ工房を挙げている。3Dスキャナや3Dプリンタを使えば、クリック一つでものの形をデスクトップに取り込んだり、素材からものを成形したりできるのだ。

 筆者のいうアトムの世界(現実世界)とビットの世界(デジタル世界)の組み合わせによるものづくりは、今度より身近な場所で見られるようになるであろうし、体験することになるだろう。今すぐに、その変革の様子を俯瞰したい人には、本書を読むことを強く勧める。

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