ケイ・オプティコムは7月24日、KDDI(au)のMVNOとして提供するモバイル通信サービス「mineo」の新料金プランと新端末を発表した。
新たに2Gバイト、3Gバイトの大容量プランと、キャリアアグリゲーションやWiMAX 2+に対応したシャープ製のスマートフォン「AQUOS SERIE」を8月5日に投入することが公表されたほか、秋にはより低価格なスマートフォンの投入を検討していることも明らかにした。
6月3日よりサービス提供を開始したmineoは、数少ないauの回線を用いたMVNOとして注目を集め、サービス開始から1カ月半で約2万件の加入を獲得するなど、好調を見せている。そこでケイ・オプティコムのモバイル事業戦略グループ グループマネージャーである津田和佳氏は、新サービスの発表を前に、これまでに獲得した加入者の属性や、mineoに対する評価についてデータを公表した。
津田氏によると、mineoの加入者プロフィールは「MVNOの特性からか、30~40代の男性が多い」とのこと。また同社は関西圏を中心に通信事業を展開しているが、mineoのユーザーに関しては近畿が35%、それ以外の地域が65%となっており、従来同社の存在を知らなかった人達からも申し込みが多くきているとのことだ。
mineoで提供している各サービスの申し込み比率は、データ通信専用が56%、音声通話付きが44%とのこと。そのうちスマートフォン端末とセットで購入した割合は20%と、比率的には少ない。これについて津田氏は「(端末とのセット販売は)想定以上の売れ行きだが、比率的にはもっと高いと思っていた」と話しており、SIMのみを契約するユーザーが予想以上に多いことを示している。
さらに津田氏は、インターネット上でのユーザーの評価についても触れた。ポジティブな意見としては、主にエリアや通信速度、テザリングができることなどが評価されているとのこと。一方で、データ通信がLTEのみであることや、通信容量が1Gバイトでは物足りないといった点が、不安要素として多く上げられていたそうだ。
そうした状況を踏まえて、津田氏は同社の新サービスを発表した。1つは料金プランの拡大で、高速通信容量が1Gバイトのプランに加え、2Gバイト、3Gバイトのプランを新たに用意している。
「一般的なスマートフォンユーザーの64%は通信容量が3Gバイト以内に収まっている」(津田氏)ことから、3Gバイトまでのプランに絞って選択肢を増やしたようだ。ちなみに料金は2Gバイトが月額1580円、3Gバイトは月額2330円に設定されており、他のMVNOにおける同容量の料金プランに対しても、優位性を保っていると津田氏は話している。
そしてもう1つ、新端末として、auの夏モデルとしても発売されているシャープ製の「AQUOS SERIE SHL25」を投入することも発表された。端末スペックはauのものと同等で、キャリアアグリゲーションやWiMAX 2+にも対応しているのが大きな特徴。スペックが高い分、価格は一括で7万5600円、2年間の分割払いで月額3150円と、MVNOの端末としては高額になるが、「最新の通信規格という選択肢を用意し、超高速のモバイルライフを楽しんでもらうため早期に用意した」(津田氏)という。
ただし、KDDIのMVNOでありながらUQコミュニケーションズのWiMAX 2+回線が利用できることや、回線が増えることによってMVNO側の負担が増す懸念などに対して、津田氏は「契約上の機密事項なので答えられない」と話すにとどめた。
なお津田氏によると、秋にはさらに新端末を拡充するとのこと。こちらはより低価格なスマートフォンを投入していく考えのようで、データ通信の利用が多いことからWi-Fiルータタイプの端末なども今後検討していくようだ。またサービスに関しても「他社にない部分を埋めていく」とのことで、やはり秋ごろに新サービスを提供すると津田氏は話した。
さらに秋以降には、現在mineoの主要ユーザーとなっているアーリーアダプター層だけでなく、より幅の広い層をターゲットにしていくことも明かされた。実店舗での展開などさまざまな課題があるとしながらも、ユーザー層を拡大するための取り組みを進めていくようだ。
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