新会計年度が始まってから10日が経ち、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏が従業員にメールを送付した。
前CEOのSteve Ballmer氏は「Developers, Developers, Developers!」と叫んだことで有名だが、今回は開発者の話ではない。デバイスやサービスの話でもない。Nadella氏が米国時間7月10日に全正規従業員宛てに送付した電子メールのメッセージは、Microsoftの中核に焦点を当てるものだった。「プロダクティビティ(生産性)」である。
Nadella氏は、Microsoftがもはや「デバイス&サービスカンパニー」を標榜しているわけではないと述べた。これは、前CEOのSteve Ballmer氏が同職在任期間の最後の1年あまりに用いた戦略である。Microsoftは今後、プロダクティビティとプラットフォームを中核に据えていくとNadella氏は言う。
Microsoftの最初のミッションは、PCをすべてのデスクとすべての家庭に配置することだった。そして、それに続くミッションが、デバイス&サービスカンパニーになることだった。
「デバイス&サービスという表現は変革を開始する上で役立ったが、今度は、自分たち固有の戦略に絞り込む必要がある」とNadella氏は述べた。「Microsoftはクラウドファースト、モバイルファースト時代のためのプロダクティビティとプラットフォームを中核とする企業である。われわれは、地球上のすべての人々とすべての組織がもっと多くのことを実現できるよう、プロダクティビティの分野を改革していく」(Nadella氏)
Nadella氏は、自身の最近の講演や発言の中でソフトウェアを取り上げることによって、新しい戦略を発信してきた。今回のプロダクティビティというのも「Office」だけを意味しているわけではないと、同氏は述べる。これには、分析ソフトウェアやサービス、開発ツール、翻訳ソフトウェアなども含まれる。予定されている「Skype Translator」、パーソナルアシスタントの「Cortana」、機械学習サービス「AzureML」はすべて、Microsoftの新しいプロダクティビティソフトウェアとサービスの例である。
また、プラットフォームも「Windows」だけを指しているわけでもなければ、Windowsファーストという意味でもない。最も重要なモバイルOS上で動作するソフトウェアとサービスを構築するという意味だ。
Nadella氏の電子メールに添えられた図では、プロダクティビティソフトウェアおよびサービス(換言すると「デジタルワーク&ライフエクスペリエンス」)は、新しい「One Microsoft」の中心であり、デバイスOS、ハードウェア、そして(「Azure」や「Windows Server」を柱とする)クラウドOSは、その中核を取り巻く位置づけにあることが説明されている。
また、Nadella氏はこの電子メールの中で、同氏が「Xbox」をMicrosoftのコアビジネスの1つとみなしていると断言している。「Bing」についてこれまで語ってきたのと同じように、XboxはMicrosoftの他の多数の製品に結び付けられ、影響を与えるものだと、同氏は考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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