大企業に眠る「人」と「技術」を呼び覚ます--経産省が製造業系の起業支援

藤井涼 (編集部)2014年07月22日 08時00分
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 「10年後の日本経済をリードする“メガベンチャー”を育てる」――経済産業省所管の独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO:ネド)は、研究開発型の起業家支援プログラムに参加する候補者の公募を開始した。期間は7月18日~8月15日。ハイキャリア向けの会員制転職サイトを運営するビズリーチが全面協力する。

  • 左からビズリーチの南氏、経済産業省の武尾氏、NEDOの吉岡氏

 安倍政権は成長戦略の一環として新産業の育成に力を注いでいるが、日本ではまだまだ新たなビジネスモデルや技術を生み出す起業家は少ない。NEDOではその理由の1つとして、米国などに比べて起業を支援するベンチャーキャピタルやインキュベーターによるエコシステムが十分に構築されていないためだと考えている。

 また、日本においてもIT系ベンチャーでは成功事例が増えつつあり、エコシステムも構築されつつあるが、「製造業系の研究開発型ベンチャーについては、技術とビジネスモデルを兼ね備えた起業家が非常に少ない」と経済産業省 産業技術環境局 技術振興課 課長補佐の武尾伸隆氏は指摘する。

日本から“製造系”ベンチャーを生み出す

 そこで、NEDOでは2014年4月から「研究開発型ベンチャー支援事業」を始動。製造、バイオ、エネルギーなど幅広い分野での起業を支援し、ロボットスーツ「HAL」を手がける筑波大学発の「サイバーダイン」や、ミドリムシを中心とする微細藻類の研究開発や販売などを行っている「ユーグレナ」、ネット家電を製造する「Cerevo」など、優れた技術を有するベンチャー企業を創出したいとしている。

 そのため、公募の対象とするのは学生などではなく、大手メーカーである程度経験を積んだ研究員や技術者などだ。武尾氏は「研究開発は時間がかかるため、なかなか日本のベンチャーキャピタルは投資しづらい。そこはもう少し、『官』が補完するべきではないか」と語り、国だからこそできる支援の形もあると説明する。

  • 起業家候補人材の育成支援スキーム

 NEDOが展開する起業家候補者の育成プラットフォームでは、起業を目指す個人またはチーム(2~3人)を最大2年間支援する。具体的には、年間で1人あたり500万円(1チーム1500万円)の活動費を提供するほか、すでに実績を残している起業家や技術者、弁護士などがビジネスプラン作成のメンタリングをする。

 最終的には、新事業の買い手や投資元となる大企業、金融機関、ベンチャーキャピタルなどに対してビジネスプランをプレゼンテーションするDemo Dayを開催する。なお、すでに製造業系のベンチャー企業を立ち上げている人に対しても、その技術の実用化や事業化に向けた相談を受けたりアドバイスをしたりする予定だという。第1回の公募では10~15人を集めたいとしている。

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