ソーシャルネットワークFacebookの最高執行責任者(COO)を務めるSheryl Sandberg氏は米国時間7月2日、70万人近くのユーザーの投稿を対象に実施した調査について謝罪した。
Sandberg氏はニューデリーに滞在中、インドのテレビ局NDTVの取材に対し「コミュニケーションに大きな不備があったことは明らかであり、心からお詫びする」と述べた。
「当社はサービス向上に向け、継続的かつ慎重にプライバシーを保護しながら調査を実施しており、今回の調査もその目的に向けて実施されたものだった。世界中の当局と連絡をとり合っており、これが(当局との間で)おおごとにはならないと考えている。当社がユーザーのプライバシーに配慮していることをユーザーに確実に理解してもらえるよう、引き続き努力していくつもりだ。われわれはユーザーのエクスペリエンスを大切にしており、最良のエクスペリエンスを提供できるようにできる限りのことをしたいと考えている」(Sandberg氏)
コーネル大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、Facebookは2012年に、「ソーシャルネットワークを通した大規模な感情の伝染に関する実験的証拠(Experimental Evidence Of Massive-scale Emotional Contagion Through Social Networks)」の調査を実施し、利用者68万9003人のニュースフィードを無断で操作して、内容をよりポジティブあるいはネガティブに歪曲していた。
そしてこの問題が先ごろ広く報じられ、物議を醸すこととなった。
FacebookのデータサイエンティストAdam D. I. Kramer氏は6月29日、調査を実施した理由について「友人のポジティブなコンテンツを見た人がネガティブに感じたり、取り残された気分になるのではないかという懸念を調査することの重要性」を考えたとしている。
また同氏は「一部の人が懸念をもっている理由については、私も理解できる。共著者たちも私も、調査についての論文での説明方法や、それによって生じた不安について申し訳なく思っている」とも述べた。
そしてSandberg氏は2日、この問題の原因がコミュニケーションの不備にあったとした。
「特にコミュニケーションに大きな不備があり、Facebookも謝罪している。当社は当然ながら、ユーザーを動揺させるようなことをしたいとは決して考えていない」とSandberg氏は述べた。
またSandberg氏はこれを「小さな実験」と呼び、同プロジェクトの範囲が小さいことを強調した。同氏によると、調査期間は1週間だったという。
「感情を変化させる実験として報じられているが、正確にはそのようなものではなかった」と同氏は述べた。「人々に異なるものを見せてどのような影響が生じるかを見る実験だった。繰り返すが、ここで本当に重要なのは、われわれがユーザーのプライバシーを非常に深刻に受け止めており、ユーザーにコントロールと素晴らしいエクスペリエンスを提供するために今後も努力し続けるということである」(Sandberg氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス