幸せそうなFacebookの投稿を目にした人はFacebookに幸せそうな投稿をするという調査結果が、コーネル大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、Facebookから先ごろ発表され、話題を呼んだ。
しかし、この調査の「参加者」は自分たちが何に加わっているのかを全く知らされていなかったことが判明した。それどころか、参加者たちは自分たちの知らないうちにニュースフィードを操作され、感情を左右させられていたという。
Telegraphが報じているように、Facebookはユーザーがサイトを利用開始するときにクリックするボックスを拠り所に調査を実施したという。
ユーザーはこのボックスをクリックすることにより、Facebookが「トラブルシューティング、データ分析、テスト、調査、サービス改善などの内部オペレーション」を実施することを認めている。
このたびの論文「ソーシャルネットワークを通した大規模な感情の伝染に関する実験的証拠(Experimental Evidence Of Massive-scale Emotional Contagion Through Social Networks)」には、研究者たちは、「excited(わくわくしている)」などのキーワードを観察しただけで、利用者の68万9003件の投稿を実際に見たわけではないと書かれている。
しかし、この調査について倫理的な観点から疑問の声が上がり、Facebook自身が釈明をする事態に陥った。
FacebookのデータサイエンティストAdam D. I. Kramer氏は、調査を実施した理由について「友人のポジティブなコンテンツを見た人がネガティブに感じたり、取り残された気分になるのではないかという懸念を調査することの重要性」を考えたとしている。
また同氏は「一部の人が懸念をもっている理由については、私も理解できる。共著者たちも私も、調査についての論文での説明方法や、それによって生じた不安について申し訳なく思っている」とも述べた。
調査は2012年初めに実施されたもので、Facebookの研究者らは社内でのレビューの仕方を改善してきているとも、同氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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