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モノのインターネットで農業を「儲かる産業」に--担い手を呼び込む - (page 4)

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大込氏  現在の日本の農業を支えているのは65歳の高齢者です。彼らの技術にはすごいものがありますが、それは今までの経験と勘で生まれたものです。それを早くITにしてマニュアル化できれば日本の農業に大きく貢献できます。しかし、水田農業の担い手のいない集落は全国で54%です。政府がいくらやりたがっても、過疎化で担い手がいません。だから政府も企業参入や新規就農を進めているわけです。

 新規就農者が一番困っていることは、農業技術がないことです。新規就農者は、いつ種を蒔くのかということさえわからないのです。だから早く高齢者が使えるIT、肥料にマイクロチップをつけて、言葉で「10キログラム蒔きました」などと声で教えてくれるような簡単なITを作っていかないと、農業分野でのITは進まない気がします。

徳力氏  IT技術が目に見える状態、表に出ている状態ではダメということですね。勝手にセンサが情報を収集してくれることがひとつの理想かも知れません。では今度は、少し夢のあるお話をしたいと思います。課題が解消されてきたら、どのような未来があるでしょうか。

佐々木氏  わたしたちが構築して販売しているシステムは、どんどんクラウドの中に経験と勘がともいえるセンサデータが蓄積されていく仕組みです。いまのところデータはたまっていませんが、クラウドの中に農業データがたまってくれば、次の担い手に展開し、最終的には海外展開も可能になると考えています。

大畑氏  NECの事例では、日本ではないのですが人工衛星で測定して収穫時期を見定めるような技術開発はあります。マルチスペクトルのセンサを使って、例えば小麦の水分量を人工衛星から見て収穫の時期を見定めたり、タンパク質の含有量をチェックして“美味しい次期”を判断するなどです。また、メロンの網目模様で個体を識別し、トレーサビリティなどに活用することはできると思います。

佐々木氏  農業は儲からないから跡継ぎが増えません。政府も儲からないから低コストを進めています。しかし、ITを組んで高コストにすることは難しいため、ITを導入することで農家の収益が上がることが一番大事です。例えばITを使うことで収量が増える、高品質なものができる。そこまで持って行かないと導入は難しいでしょう。

 また、稲を作る場合は水の管理が大変です。種を蒔いたときに水があると芽は出ないのですが、300~500もの水田の全部を見て回って水の調整をすることは不可能です。今は水田を拡大するほどコメの品質が落ちています。水を自動的に監視するシステムがあれば、それを使うことで収益を上げられる。ITがすごい道具になるわけです。

 さらに、ITとGPSを活用してトラクターの直進制御ができれば、稲やジャガイモをまっすぐに植えることができます。そうすると後の工程が非常に楽になり、生産性が上がります。

 重要なことは、こういったITを活用することで、そこでできた生産物が消費者に選ばれることが一番いいということです。ITの活用で品質や生産性が上がれば、それがブランドになって農家の収益が増える。そういう形でいけば農家も入りやすいかなと思いますし、メリットを訴えていけば65歳の人でもIT化に取り組むのではないでしょうか。

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