ホームオートメーションを手がけるNest Labsが、ビデオ監視を専門とする新興企業Dropcamを現金5億5500万ドルで買収する。Dropcamは、ウェブに接続されたホームセキュリティカメラを開発している。買収契約は米国時間6月20日に交わされたが、まだ買収は完了していない。
Nestは、煙感知器「Protect」や「Learning Thermostat」を含む同社の既存のスマートホーム製品ラインにDropcamの技術を組み込む予定だ。Dropcamの製品には、Nestのプライバシーポリシーが適用されることになる。
両社間の合意は堅いものの、この買収はプライバシーに関する懸念を引き起こす可能性が高い。Googleが1月にNestを32億ドルで買収しているためだ。しかしNestは、今回の買収契約はNestが単独で交わしたものであり、ホームセキュリティやビデオ監視の分野へのNestブランドの拡大に活用すると述べている。
Googleに買収された後、Nestは従業員数を、2012年末の130人から2014年には460人以上にまで大きく増加させている。Dropcamは、現在の拠点であるサンフランシスコから、カリフォルニア州パロアルトにあるNest本社へと移転する予定である。
この買収については20日、Re/codeとThe Wall Street Journal(WSJ)が最初に報じた。
Nestは2010年、Appleの元幹部で「iPod」部門を統括していたTony Fadell氏と、Appleで同氏の同僚だったMatt Rogers氏の独創的な発想に基づいて創設された。2011年にサーモスタットを発売し、続いて2013年には煙感知器Protectを発売したNestは、もはや進化の余地はないとして見限られていた機器に斬新なデザインと強力なソフトウェアをもたらすことで、まだ黎明期にある家庭用スマート機器市場において、早い段階から業界の本命候補としての地位を確立した。
Nestはサーモスタットと煙感知器を基軸および出発点として、同社のスマートホーム理念を推進している。まずはハードウェアを提供し、コネクテッド家電の接続網の上に重ねられるソフトウェアプラットフォームへと拡大していくことを目指す。
これまでに4780万ドルものベンチャーキャピタル資金を調達しているDropcamは、Greg Duffy氏とAamir Virani氏によって2009年に創設された。両氏は、スウェーデンの技術企業であるAXIS在籍時にエンジニアとして取り組んでいたカメラソフトウェア開発事業を分離させ、同社を設立した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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