私たちは、携帯電話やタブレット、メガネ、衣服、ブレスレット、時計から流れ込む大量の情報について、それに対処する準備と意志があり、また対処することが可能だろうか?
Hewlett-Packard(HP)の最高経営責任者(CEO)であるMeg Whitman氏、IntelのCEOであるBrian Krzanich氏、MicrosoftのCEOであるSatya Nadella氏は、HPが米国時間6月10~12日に開催したDiscoverカンファレンスのパネルセッションの最後に、この質問に答えようとした。パネルディスカッションの様子は11日にライブ配信された。
このディスカッションの背景として、このパネルセッションとはまったく関連のない10日のセッションで、HPは「The Machine」プロジェクトによってコンピューティングの枠組みを作り変えようとしているとWhitman氏が発表し、将来的に大量のデータによってかかる過度な負担を強調する姿勢を見せた。
「クラウドコンピューティングやモノのインターネット(Internet of things:IoT)、モバイルネットワーク、マシンツーマシン(M2M)コンピューティング」がもたらすデータ量の増大は、把握や管理が不可能なほど大量のデータを発生させており、それに対処できる新たなコンピューティングアーキテクチャが必要になっている、とWhitman氏は述べた。
実際、3人のCEOは全員、より多くのセンサや知性を備えたスマートフォン、「モノのインターネット」に分類できる、ネットワークに接続されたさまざまなウェアラブル端末、データを保存するサーバの増設など、新しいコンピューティングデバイスの普及に大きく関係している。
明らかな問題点を挙げれば、データが簡潔で、ユーザー自身に関係が深く、また分かりやすいものでなければ、私たちの多くはそれでなくても大量のデータを毎日処理しているのに、無関係なデータがさらに積み重なるだけということだ。
もう1つの問題は、技術系のカンファレンスでこうした答えにくい問題がめったに提起されないことだ。デバイスが増えてデータが増えるのは本質的によいことだというのが、常に前提になっている。
だが、3人のCEOの答えが示すように、増加するデバイスからのデータの増加は目標ではないし、少なくとも目標にすべきではない。
Whitman氏が提示した答えが、おそらく最も率直だろう。
「われわれにはその能力があるのだろうか。人間の脳と感情はこの状態を実際に維持できるのだろうか。常にネットワークにつながっているので、私は10年前と比べてはるかにストレスを感じる。真夜中に目が覚め、携帯電話に手を伸ばしてメールをチェックする。これは、たぶんよいことではない」(Whitman氏)
Krzanich氏とNadella氏は、回答の中で、大量データによる過剰負担の問題がまだ解決していないことを暗に認めた。
だが、3社はいずれも、負担を増大させるではなく、解決策の提供に取り組んでいる。さらにKrzanich氏は、人類はデータの増加に対して準備ができていると断言した。
「驚異的な速度でデータを取り込むことができる脳の働きについて考えると、間違いなく、われわれにはその能力がある」(Krzanich氏)
「もっと個人的な体験にしないといけない(デバイスやソフトウェアが)スムーズでシームレスなら、ありがたいと思ってもらえるだろう」(Krzanich氏)
解決策は、過剰負担につながりかねない大量に増加するデータフィードを効率化することにある、とNadella氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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