グーグル、「Chrome」でフルアドレス非表示計画の優先順位下げる

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 水書健司 高森郁哉 (ガリレオ)2014年06月11日 11時10分

 Googleは、「オリジンチップ(Origin chip)」の計画から一歩後退したようだ。この計画は、「Chrome」ブラウザで利用者が訪れたウェブサイトのドメイン名のみを表示し、フルアドレスを隠すというものだ。

 Chrome開発チームに所属するPeter Kasting氏は米国時間6月10日、このアドレス非表示機能の優先順位を最優先から第3位に下げた。同氏は、Googleの課題追跡サイトに投稿した説明の中で、「オリジンチップの作業は後回しにされる」と述べた。

 Googleがこの機能の優先順位を下げた理由は、いまのところ明らかにされていない。しかし、オリジンチップに関する作業はすでに多くがなされており、オリジンチップに関する作業の他の側面はChromeの課題トラッカーにアクティブな状態で残っている。米CNETはGoogleにコメントを求めたが、本稿執筆時点では得られていない。

 オリジンチップは、Chromeのアドレスバーの左側にウェブアドレスのドメイン名のみを表示する部分として計画された。たとえば、「http://www.cnet.com/news/google-test-hides-web-addresses-in-chrome/」のようなフルアドレスではなく、「http://www.cnet.com/」だけを表示することになる。フルアドレスの表示が利用者の役に立つこともあるが、コンピュータだけが理解できる意味不明のコードが延々と続く場合もある。

Chromeのアドレスバー上での違い。Googleはオリジンチップと呼ばれるChromeの機能をテストしており、同機能は、完全なURLではなくウェブサイトのドメインのみを表示する。
Chromeのアドレスバー上での違い。Googleはオリジンチップと呼ばれるChromeの機能をテストしており、同機能は、完全なURLではなくウェブサイトのドメインのみを表示する。
提供:Stephen Shankland/CNET

 Googleは利用者の反応を知るため、Chromeユーザーの一部を対象にこの機能をテストしてきた。だが、フルウェブアドレスには有用な情報を表示することもあるという理由から、否定的な反応もあった。

 たとえば、利用者は自分が「http://www.reddit.com/r/bitcoin」または「http://www.ebay.com/vlp/sporting-goods/」にいることを一目で知りたいと思うかもしれないが、オリジンチップはそのアドレスの詳細部分を隠してしまう。あるいは、そのアドレスにプログラムが「?feedType=RSS&feedName=technologyNews」のようなユーザートラッキングタグを付加したかどうかを知りたい人もいるかもしれない。

オリジンチップを使うことで、Chromeの「Omnibox」には、検索語を表示し、ユーザーが検索を修正することを可能にするスペースが得られる。
オリジンチップを使うことで、Chromeの「Omnibox」には、検索語を表示し、ユーザーが検索を修正することを可能にするスペースが得られる。
提供:screenshot by Stephen Shankland/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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