映画「ゴッドファーザー」の劇中では、ライバル関係にあるマフィアの行動が個人的な敵意ではなく、ビジネスによって動機付けられているという説明が何度もなされる。MicrosoftとSalesforce.comが米国時間5月29日に発表した提携を見ると、ポップカルチャーに分類される同映画に登場するこの見識が両社を変えたのかと思うのも無理のない話だろう。
今回の合意により、長きにわたってライバル関係にあった両社は、Microsoftの「Windows」や「Windows Phone」といったOS、および「Microsoft Office 365」のユーザーが、Salesforce.comの顧客関係管理(CRM)用のアプリケーションやプラットフォームに容易に接続できるようにするための道を築いていくことになる。
Microsoftの広報担当者によると、両社はともに今回の提携で資金だけではなく人材も投入するという。また、プレビュー版の製品が2014年秋に利用可能になり、2015年のどこかの時点で一般利用可能になる予定だという。これ以上のコメントはMicrosoftからもSalesforce.comからも得られなかった。
Salesforce.comの社交性に富む最高経営責任者(CEO)であり、IT分野の人間としてはメディアの利用に長けているMarc Benioff氏は、IT業界で以前から力を持っている大手ソフトウェア企業に対して、後から台頭してきた企業として挑戦する姿勢をあらわにすることで有名であり、その主な対象はMicrosoftとなっている。
しかしMicrosoftのCEOであるSatya Nadella氏とともに提携発表の電話会議に参加したBenioff氏は、極めて異なる評価を示した。
「われわれは今日、互いのテクノロジを交流させるという重要な提携の発表を行う。まず、われわれは(マーケティングクラウドである)ExactTargetを買収した際に、Microsoftとのより強固な関係を手にした。これにより状況が変わった。そしてSatya氏がMicrosoftのCEOに就任した。このことでMicrosoftとのより強固な関係を手にする機会が与えられた。これもまた変化の一因だ(中略)私はとてもうれしかった。私は以前からMicrosoftとより緊密な関係を築きたいと考えていたのだが、ここに至ってそれが現実となった」(Benioff氏)
他の詳細として、以下のような内容が発表されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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