Googleは、将来の米国外での企業買収に備えて200~300億ドルもの資金を米国外に保有していることを明らかにした。同社は実際、実現には至らなかったものの、50億ドルの企業買収を2013年に試みている。
米国外に保有する資金について米証券取引委員会(SEC)から問い合わせを受けたGoogleは、回答の書簡の中で、その規模を明らかにした。Associated Pressが報じているように、GoogleがSECに送付した書簡は2013年12月付けになっているが、米国時間5月20日に初めて公開された。
Googleは、300億ドルの資金をいつ米国外企業の買収に使用する予定なのかは明らかにしていないが、将来の規模拡大のためには必要な資金だと主張している。同社では規模拡大をけん引するのは米国外事業であると見込んでおり、2012年には売上高の半分が米国外市場によってもたらされたと述べている。
同書簡では、Googleが先ごろ、評価額40~50億ドルの米国外企業の買収を試みたものの実現しなかったことが明かされている。買収が成立していれば、2013年にGoogleが実施した、イスラエルを拠点とするソーシャルマッピングの新興企業Wazeの買収を上回る規模になっていた。
同社は2013年に20社の買収に14億ドルを支払っているが、その大部分を占めるWazeの買収について、「無期限に再投資される、米国外利益」から資金を拠出したと述べている。これは、近いうちに米国に還流する予定がなく、Googleが他の多くの大手ハイテク企業と同様に米国での課税を回避しているとして批判されている。
Googleは、この米国外利益を、米国での買収に充てる資金としても利用している。例えば、Motorola Mobilityの買収に支払った125億ドルがそうである。もっとも、同社は現在、Motorola MobilityをLenovoに29億ドルで売却する方向で手続きを進めている。
Googleによると、同社が投資の可能性を見据えて米国外に保有する資金の額は2010年には180億ドルだったが2012年には330億ドルになっており、今後も増加する予定だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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