統計として具体的な数字が提示されていると、「なるほど」と納得してしまいがちだが、その数値をうのみにしてしまって良いのだろうか? 正しいやり方で導き出された統計の数字は検討するのに値するが、世の中には「統計」という名の下に、数字が意図的に利用されている例が後を絶たない。数字に惑わされたり、だまされたりしないために、最低限のことは知っておきたいものだ。
たとえば、営業先で自社の製品やサービスについてプレゼンをする時のことを考えて欲しい。プレゼンではなるべく自社のモノを良く見せようと思うだろう。「ユーザーの90%が満足しているという調査結果」や「ユーザー数が急増しているグラフ」などを載せたりするはずだ。それを考えれば、広告やCMで打ち出されている数字や新聞や雑誌に掲載されているグラフを、そのまま見たとおりに信じていいものではないことが分かるだろう。
本書には、そうしたさまざまな数字のトリック、あるいはグラフのマジックの例がたくさん取り上げられている。本書を読めば、その数字やグラフの「何がおかしいのか」が分かるようになる。自分が統計を出す必要はなくても、この程度の知識は、知恵として身につけておきたいと思える平易な内容なので、統計に縁がない人でも、一度は目を通しておきたい。
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