かつては、自分もスッキリと片付いたデスクで仕事をしていたはずなのに、ふと見回すと、机の上には複数のペンやら書類やら名刺やらが積み重なっていて、今にも雪崩を起こしそうなっている。そのうち、ノート1冊がやっと置けるスペースで、窮屈に仕事をするのにも慣れて、モノを倒さずにすり抜ける術まで身につけたりしている。思い当たる節があるなら、ぜひとも本書を読むことをお勧めする。
余計なモノを持たず、置かず、最小限にするということ。そのこと自体に憧れる人がかなりの数いることからも、いらないモノやいるかどうか分からないモノで溢れかえった環境で生活している人が、いかに多いか分かるというものだ。モノを増やさないという著者の信念が、文房具などの道具に「多機能性を求めない」という考えに及んでいるのが面白い。紙類をなくしたり、たくさんのモノを置かないというのは、他書でもみかける整理術ではあるが、単機能を求めるというのは、著者独自の哲学だ。
いろいろと、便利なモノがそろっている方が、仕事がはかどるような気がするが、それは気のせいであり、実際には、部屋も机も余裕がある方がいいのかもしれない。
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