情報時代のカフカの悪夢のように、「iPhone」からGoogleのモバイルOS「Android」に乗り換えた一部のユーザーが、「iMessage」の未修正のバグによる問題に見舞われている。送信者にも受信者にも通知されないまま、テキストが届かないという問題だ。Bloombergの米国時間5月16日の記事によると、Appleは現在、この問題に対処しなかったとして提訴されているという。
問題はiMessageにある。2011年に「iOS 5」でリリースされた同サービスでは、iPhoneユーザーがそれぞれの通信網の代わりにデータ通信やWi-Fiを介して互いにやり取りするので、通信プランの利用量にカウントされることなく高速にメッセージを送受信することができる。表示上は、テキストの周囲の吹き出しが通常の緑色ではなく青色であることだけで区別されるiMessageは、iPhoneのネイティブなSMSクライアントの範囲内ではシームレスに動作する素晴らしい技術とみなされていた。
しかし、そう感じるのはiOSからAndroidに乗り換えるまでだ。Androidは2014年5月の時点で、世界のスマートフォンの約80%で稼働している。
2011年にiMessageが提供開始されて以来、iPhoneの元所有者で携帯番号をiMessageにリンクしていた一部のユーザーから、iPhoneを現在使用するユーザーから送信されたテキストが失われるという障害が報告されていた。送信者が届いたと思っているメッセージが、新しくAndroid端末を所有するユーザーには決して届かないというものである。これは、端末レベルの問題であるように思われる。つまり、すべての現行iPhoneユーザーの端末において、新しいAndroidユーザーがまだAppleの端末を使用しているとみなしている可能性がある。
テキストが、もはや使われていないiPhoneのiMessageアカウントとともに永久に失われるだけでなく、Appleはこの問題の発生を防ぐ具体的な解決策を用意していないと、Appleのある技術サポートスペシャリストはLifehackerの元編集長であるAdam Pash氏に述べた。Pash氏は13日、自身の個人的なウェブサイト上のブログ投稿でこの問題を再度提起し、Appleはこの問題を認識しているにもかかわらず「これを修正する方法については手掛かりがないようだ」とサポートスペシャリストが同氏に語ったとしている。
Appleはこれに関するコメントを避けた。
「iMessage永久消滅」の試練とPash氏が呼ぶこの問題は、新しくサムスンの端末に乗り換えたAdrienne Mooreさんが15日に、Appleがこの問題を認識していたことを公表しなかったとしてカリフォルニア州サンノゼで訴状を提出したことで、大問題に発展する可能性がある。
Mooreさんは自身の訴えを集団訴訟とすることを求めている。つまり、より大きな団体を代表して訴訟を起こすことで、訴訟の結果が影響を受けたすべてのiPhone所有者に適用されることを望んでいる。ただし今回の訴状には、具体的な損害は明記されていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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