お仕事をこなしつつまったりと765プロの日常を楽しむ感覚も悪くないが、やはりランクアップフェスで上を目指すことも忘れてはいけない。基本的なルールは登場するライバルよりもスコアが高ければ勝利というフェスと同じルールで、先に2勝することでランクアップする仕組みだ。
順調にE3からE2、E1とランクアップしていくが、D3に上がるためのランクアップフェスでは壁があった。ここで登場する日高愛になかなか勝てないのだ。さすがにすんなりとは先に進ませてくれないと思いつつも、少しほかのお仕事をこなしてレベルアップさせてから再挑戦してもまだ勝てなかったりする。
本作ではひとりをリーダーに据え、ほかのアイドルたちはパートナーという立ち位置になる。ランクアップはリーダーのみが対象となるもので、たとえ一緒にお仕事をしてもパートナーはランクアップしない。また本作の育成要素に「スキルボード」が用意され、そこで必要なsp(スキルポイント)は、ランクアップやレベルアップで得ることができる。
最初に選んだアイドルがリーダーになるため、真美だけはランクが上がっていくが、ほかの亜美や雪歩はレベルこそ少しずつ上がるもののE3のまま止まっているというわけだ。もちろん、お気に入りのアイドルひとりだけをリーダーにし続けて上を目指すという遊び方も、本作がエンドレスであるだけに可能だ。ただ、ある程度足並みをそろえた方が格段にプレイしやすい。それは早く進められるということもあるが、プレイをしてみると「みんなで成長して上を目指す」という意味合いと感覚のほうが大きい。
実際にふれあいや突発的に起こるコミュニケーション、一緒にお仕事でステージに立つシーンを見ていると、「この子もランクアップさせたい」という心情になってくる。ちなみにリーダーは6週目以降であればいつでも変更可能だ。リーダーを譲りつつも、他のアイドルよりランクも能力も一歩先ゆく真美がパートナーとして、まずは亜美や雪歩のランクアップをサポートし、そこで成長した亜美と雪歩とともに真美がさらなる上を目指す……。こういうところにも、アイドルマスターにおける“みんなが仲間”という空気感と、タイトルの「ワンフォーオール」が感じられるのではと思う。
実際に、このあたりで4人目のプロデュースとして如月千早を選んだのだが、ランクアップフェスでは一戦ごとにパートナーの変更が認められ、その分の思い出が使えるといったメリットも出てくる。やはり総力を挙げて望むという体制をとったほうが、気持ちとしても盛り上がれそうだ。ちなみに千早を選んだ理由は亜美と真美がダンス、雪歩がビジュアルに強く、ボーカルに強いアイドルを入れたかったからであり、決してスタ→トスタ→を歌わせると、あの「くっ」が聴けるからではないということを付記しておきたい。
なんとかD3にランクアップした真美だが、ここで「アチマカ計画」なるものを発動する。それは「亜美とはちがう真美、カッコイイ!計画」の略称だ。その後も、亜美との違いを出したい一心でさまざまな計画や作戦を提案する。むちゃくちゃな作戦も飛び出し、それも真美らしいといえばそうだが本人はいたって真剣だ。そんな真美の心情がその先のストーリーにおける見どころとなっている。
ファーストインプレッション時にはスキルボードやスキルの活用を本格的に体験できてなかったが、ランクDに上がるとスキルボードで取得できるスキルに幅が出てくる。また、ランクアップフェスには前述の日高愛に続き、水谷絵理や秋月涼が登場が登場。こちらも取得できるバーストアピールの効果を上げる「バーストチャージ」や思い出アピールの効果が上がる「思い出ドライブ」、ライバルのバーストアピールを返す「バーストカウンター」などを活用しながら、お仕事なりランクアップフェスに挑むことになる。
ほかにも衣装やアクセサリーを購入できる「ショップ」や、プロデュースに役立つ「記者」や「お守り」といった要素も絡んでくる。詳細は割愛するが、決してボタン連打で進行していくような簡単なゲームではなく、細かいところでの戦略性も盛り込まれており、序盤よりもより遊び応えがあると感じている。とはいえ、感覚としてはRPGのようにこつこつとお仕事を重ねたり、いろんなアイドルのレベルアップやランクアップをしていけば、上を目指せるという気軽さも持ち合わせている。
アイマスの魅力といえば“歌って踊る姿”というのはゲームでもアニメでも、キャスト陣によるリアルライブでも感じる方は多いだろう。それももちろんだが、お気に入りのアイドルが上を目指していく姿を見るだけではなく、自身の手が介入する形で進行し導くことができるゲームが、一緒に上り詰めることの楽しさと喜びをより味わえるものだと思う。特に筆者がゲームから入った人間であるため、なおのことそう感じるのかもしれない。そして本作は遊びやすさからして、その第一歩に最適だと感じている。
こと亜美と真美に関しては、真美は前述の通りアチマカ計画を大まじめに考え、亜美はファーストインプレッションでも触れたように、デビュー時以上に注目を浴びようと必死な姿が描かれている。もっともシリアスな雰囲気ではなく、やろうとしていることはハチャメチャで、なおかつプロデューサーに頼るため2人に振り回される形となるが、そんな姿がむしろほほえましく映る。もちろんお互いに相手よりも個性を出そうとしているが、決して敵対しているわけではなくお互いに気を遣ったり、2人が登場して仲の良さを感じられるシーンも見られるので、そこは安心してほしい。
最終的には13人全員のプロデュースができ、リーダーも随時変更可能かつ寄り道もしやすい内容なので、2人に接する機会も多いだろう。そんななかから、振り回されながらもこっちまで元気になってしまうような魅力を感じてもらえたら幸いだ。
(C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Games Inc.
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