バンダイナムコゲームスから5月15日に発売予定のPS3用ソフト「アイドルマスター ワンフォーオール」。多方面に展開しているアイドルマスターシリーズのコンシューマ向け最新作となっている。
アイドルマスターは、これまでもさまざまなゲームジャンルでリリースされているが、本作はジャンルをアイドルプロデュースと題し、765プロダクションのアイドルたちをトップアイドルに導く内容となっている。本作の特徴は、13人全員をプロデュース可能であることや、プロデュース期間がエンドレスとなっていること。これまでナンバリングタイトルとしてリリースされたものとは異なるアイドルプロデュースゲームとなっている。
アイドルたちはトップアイドルを目指してデビューしたものの、いまいち人気が出ないまま月日だけが過ぎている状態。そんなおりに、プレイヤーは765プロ社長の高木順ニ朗に見出され、765プロの専属プロデューサーとなって、アイドルプロデュースを始める。
基本的にはオーディション、ライブ、フェスなどのさまざまなステージ仕事をこなし、ファンの人数やマニー(ゲーム内のお金)を集めていく。そのお仕事に向けて「ふれあい」によるコミュニケーションを取ったり、「レッスン」でアイドルのコンディションを高めていく。
今回の育成要素として「スキルボード」が用意されている。レベルアップやアイドルランクのアップによって得られる“sp(スキルポイント)”を消費することにより、隣接したマスのスキルのみを取得することができる。ボーカル、ダンス、ビジュアルといった基礎パラメータを上げるものだけでなく、ボルテージゲージの増加量アップや、思い出アピールの強化など、特別な効果を付与するものもある。
アイドルはお仕事をこなしつつ、ランクアップフェスに挑みクリアするとアイドルランクがアップ。お仕事をこなしてランクアップしていくことを繰り返し、アイドルランクA3以上で出現する「アイドルエクストリーム」を制覇するのが目標。このフェスでは強力なライバルが出現する。
それとともに、プレイヤーであるプロデューサーは社長からのシーズン目標をこなしプロデューサーランクを上げていく。ランクが上がるとプロデュースできるアイドルの人数や、難易度や報酬の高い仕事、使用可能楽曲などが増加する。さらにランクを上げていくことによって、プロデュースの幅を広げていく。
なお、夏と冬の年2回に「オールスターライブ」を開催。13人を3ユニットに分け3ステージをこなすというもので、ライブが大成功すると全員によるアンコールムービーを見ることができる。
本作の肝となるお仕事のリズムゲームが「アイドルマスター2」のシステムに準拠し、レッスンのミニゲームも内容は異なるものの雰囲気を継承しているため、同作をプレイした経験があれば近い感覚で遊べるゲーム内容となっている。
とはいえ、新鮮味がないかといえばそんなことはない。攻略を楽しむと考えた場合、レッスンの効果が一時的になった分、よりリズムゲームにおけるパートナーや楽曲、衣装の組み合わせ、アピールをするタイミングなどに戦略性を置いた感覚もある。まだまだ育成におけるスキルボードやお仕事におけるスキルの活用を本格的に体験できていないところがあるものの、先に進めていくとこのあたりがより奥深さとやり応えを感じさせてくれるものだと思う。
プロデュース期間がエンドレスであることもポイント。お仕事と、レッスンやふれあいのコミュ二ケーションが切り分けられており、ゲームとしての週が進行しない。従来のシリーズ作品であれば、一定期間内にファンの人数を集めないとそこで終了、ないしは特定の週で終了というノルマが存在していた。ノルマがあるシステムも緊張感があり、スケジューリングを考えていくことも含めたシミュレーションとしての面白さがあった一方で、寄り道や回り道をするようなプレイの仕方がしにくく、ひとつの選択肢やミスがエンディングの結果に直結するような側面もあった。
そこを考えると本作では、こつこつとプレイを進めていけばいつかトップアイドルにたどり着き、心ゆくまでアイドルたちをプロデュースできる。コミュニケーションも、ゲームの進行と関係なくふれあいながら見られるほか、リーダーを変えることで途中からほかのアイドルとのストーリーを見ることもできる。自分のペースで楽しみやすく、いろいろなアイドルとのコミュニケーションを見られるため、より魅力を感じやすくなっている。もちろんシーズン目標やオールスターライブなど、ランクアップを目指すだけではない節目となるものが用意されているため、適度な緊張感を持ってプレイできる。
アイドルマスターの世界は基本的に作品ごとにパラレルとなっているなか、本作でも個々に新しいストーリーが展開される。新たな成長物語が見られるという点は、従来からのプロデューサーさんにとっても新鮮に感じるところだ。また作中では、まだまだ人気の出ていない状 態から始まるため、本作がコンシューマで初めて遊ぶアイマスというプロデューサーさんでも入りやすい。リズムゲームに慣れることによって上達したと感じられれば、アイドルとプロデューサーとしての成長する感覚と重なって楽しんでいるタイトルとなっている。
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