水道の「保守点検」にビッグデータ&ウェアラブル端末活用へ--富士通とメタウォーター

井指啓吾 (編集部)2014年05月12日 15時13分

 富士通とメタウォーターは5月12日、富士通の技術であるビッグデータ分析とウェアラブル端末を用いた設備保守点検業務の実証実験を5月後半に開始すると発表した。福島県会津若松市の滝沢浄水場などで、12月末までの実施を予定している。

  • 実証実験のイメージ

 メタウォーターでは、2011年より富士通のパブリッククラウドサービス「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5」を活用しており、2013年からは上下水道施設の点検作業にタブレットを活用したインフラ管理サービス「Smart Field Service(SFS)」を自治体向けに提供している。さらに2014年4月からは、滝沢浄水場の設備更新、維持管理事業に着手している。

 実証実験では、水道設備の稼働データや各種センサから収集したビッグデータを分析活用し、設備の故障予兆検知による予防保守の実現に向け、実用性を検証する。また、浄水場における過去の水質情報と気候データを分析、モデル化することで水質を予測し、浄水における薬剤投入量の最適化により、コスト削減を図るという。

 さらに、保守点検業務にウェアラブル端末を取り入れることで、ハンズフリー作業実現による効率化を図る。具体的には、機器操作時、ほかの関連設備への影響状況をヘッドマウントディスプレイに表示する。また、作業報告時にウェアラブル入力デバイスを活用することで、入力工数の削減を図る。

  • ウェアラブル端末の活用イメージ

 加えて、熟練作業員の保守点検作業の様子をヘッドマウントディスプレイで収集し、ナレッジとして蓄積。マニュアルなどへの活用を図る。これにより、保守点検作業の技術伝承へのヘッドマウントディスプレイの有用性を検証するという。

 なお5月1日には日本航空と野村総合研究所が、「Google Glass」をはじめとしたウェアラブルデバイスを活用した実証実験を米国ホノルル空港で開始したと発表している。航空機の整備、貨物の搭降載などの作業を効率的かつ確実に実施できるかを試すとしていた。

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