グリー、売上反転時期を来期へ持ち越し--コマース事業のさらなる進出へ

 グリーは5月8日、2014年6月期第3四半期の決算を発表した。連結業績の売上高は990億2100万円(前年同期比14.1%減)、営業利益は288億8000万円(同29.3%減)、経常利益は302億5800万円(同30.8%減)、四半期純利益は145億6600万円(同36.2%減)となった。

 四半期ベースで見ると、売上高が第2四半期の326億2000万円から今期は310億7000万円と減少したものの、営業利益は第2四半期の91億5000万円から今期は99億5000万円へと増益となっている。これは広告宣伝費や固定費など、合計23億5000円ほど前四半期から削減したコストコントロールによって成されたものとしている。

 海外事業の四半期ベースでの黒字化達成といった明るい話題もあるが、コイン消費額は前四半期は470億コインだったのが、今期は442億コインといまだ減少傾向が止まらず、特に構成比で見るとスマートフォンの全体に占める割合が約71%となり、フィーチャーフォンが30%を切るまでにいたっている。

  • グリー代表取締役社長の田中良和氏

 なお第4四半期は売上高300億円、営業利益91億円を見込んでいる。今四半期よりも減少を見込むが、一部タイトルのリリース時期の見直しや足元の状況を勘案して売上反転時期の想定を2015年6月期へ持ち越ししたことによるもの。ウェブゲームにおいては、当初計画していた3本のうち1本の開発を中止。残り2本のクローズドベータ版のリリースを第4四半期にし、本リリースを来期に持ち越すことにしたとしている。ネイティブゲームにおいても、新レーベル「Wright Flyer Studios」を創設し、第4四半期に2本リリース予定。来期以降も四半期ベースで2本前後の新規タイトルを継続的にリリース予定としている。

 仕込みや足元を見ている時期、“選択と集中”における集中への転換を図り、来期からの巻き返しを狙うなか、ゲーム以外のコマース事業にも徐々に進出していく考えを示した。この日、ブランド品買取サービス「uttoku by GREE」(ウットク バイ グリー)のサービスを開始。さらに2014年下半期の取り組みとして、2~3件の新規サービスのテストローンチを予定しているという。

 コマース事業の新規サービス立ち上げについて、決算説明会で登壇したグリー代表取締役社長の田中良和氏は「インターネット業界において、コマース領域は数少ない成長領域。リリースの都合上、第1弾になったのがリユース事業のuttoku by GREEだが、ヤフーとブックオフの提携もあるように、リユース市場自体は成長していくマーケットであり、1社だけが全て独占できるわけではないので、参入をしてかじを取っていけるようにしたい」と語った。また、取締役 執行役員常務 管理統括本部長の秋山仁氏は、uttoku by GREEについては2年目ぐらいで数十億円規模、さらに新規サービスについても、ウェブゲームやネイティブゲームに続く、第3の柱となるように育てていきたいという意向を示した。

 なお、2014年6月期通期業績予想を開示。売上高は1290億円(前年同期比15%減)、営業利益は380億円(同22%減)、経常利益は393億円(同26%減)、当期純利益は200億円(同11%減)としている。

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