新タイトルを少数に絞り、ヒットの創出を目指す――11月13日に2014年6月期第1四半期決算を発表したグリー。同日開催された決算説明会でグリー代表取締役社長の田中良和氏は今後の施策についてこう語った。
第1四半期の売上高は353億2800万円(前年同期比26%減)、営業利益は97億7900万円(同37.9%減)、経常利益は96億7400万円(同36.6%減)、純利益は24億400万円(同73.5%減)。コストコントロールの徹底により営業利益がは前四半期比で20億円増加するも、タイトル関連の資産減損や希望退職の引当金により、特別損失52億円を計上した。
ゲームのコイン消費については、スマートフォンでネイティブ、ブラウザゲームともに増加するも、フィーチャーフォンの減少がその勢いを上回る形となっている。ただしスマートフォンの割合はネイティブ、ブラウザ合わせて増加中。スマートフォンのシェアは全体の65%を超えており、今後も増加していく見込みだ。
ゲームタイトルのリリース計画については、ブラウザが上半期でパートナータイトル8本。下半期でパートナータイトル約7本、自社約3本の提供を予定。ブラウザゲームはこれまで各種デバイス対応を優先して新規タイトルのリリースが停滞していたという。
自社およびパートナーのタイトルでのコイン消費が減少する一方、サードパーティのタイトルではコイン消費は微増しているため、新規タイトルの開発を強化することで、コイン消費の増加を目指す。
ネイティブゲームに関しては上半期が国内10本、海外5本。下半期は国内約5本、海外約3本のリリースを予定。本数を絞り込んで品質や収益性を重視するという。「単に開発ラインを増やすことが成功はつながらない。もちろん限度はあるが、少数に絞り込む方が効率的な面もある」(田中氏)。また、これまで主流だったカードバトル以外の新ジャンル開拓を進める。一連の施策によるヒットタイトルの創出が、今後の行方を握る大きな課題となる。
上場来初となる早期退職制度を実施することとなったグリー。田中氏は「希望退職をせざるを得ないという状況について厳粛に受け止めたい」とした上で「いたずらに今やるべきことを引き延ばすのは働いている方にも良くない。総合的に考えた決断。これから会社を再成長させることが重要。今やるべきことをやる」と語る。
今回の早期退職制度実施により、12月から2014年6月までに10億円程度のコスト削減が可能と試算する。今後の施策については「自然減はあるが、大幅な水準をいじることは考えていない」(グリー取締役執行役員常務で管理統括本部長の秋山仁氏)という。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」