すべてのFacebookアプリが同じように作られているわけではない。
こう宣言したのは、同社の最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏自身だ。Zuckerberg氏は米国時間4月23日、増加し続けるFacebookのモバイルアプリケーションを序列化し、単一用途のアプリケーションを開発するという同社のアプローチを正当化しようとした。ウォール街は、Facebookの冒険的で型にとらわれない最新の取り組みから売り上げ増を求めているが、Zuckerberg氏はアプリに序列を付けることで、こうした要求を抑えようともしている。
当然ながら、序列の最上位に位置するのは、誰もが知っている(好きだという人もいるだろう)Facebookモバイルアプリだ。同アプリの現在の月間ユーザーは10億人以上で、同社の収益に大きく貢献している。2014年の最初の3カ月のモバイル売上高は総額約13億4000万ドルを記録し、広告売上高の59%を占めた。
したがって、この実績あるFacebookアプリが今後も同社のビジネスの中心であり続ける、というZuckerberg氏の言葉は当然信じるべきだ。「Facebookアプリは単独で最も使用されているアプリであるだけでなく、当社のビジネスの中核でもある」(Zuckerberg氏)
その次に序列が高いのは「Instagram」「WhatsApp」「Messenger」だ。これらのFacebookアプリは、世界制覇を目指す同ソーシャルネットワークの継続的な取り組みにおいて極めて重要である。これらのアプリ群の月間ユーザー数は2億~5億人。規模が実質を上回っている。
「現在、これらのアプリは非常に大きな規模に達している。当面の優先事項は、10億人に利用してもらうことだ。したがって、(われわれは)しばらくユーザー数の拡大に注力し続ける。収益化に力を入れるのはその後だ」(Zuckerberg氏)
この発言は次のように解釈するといい。WhatsApp、Instagram、Messengerは非常に人気が高いが、現時点では利益を上げておらず、収益化が実現するとしても、非常に長い時間がかかる。
最後に、最も序列が低いのは、存続するかどうかも分からない極めて実験的なモバイルアプリケーション群だ。こうしたアプリのうち、既に判明しているのは「Paper」しかない。この「iOS」向けニュースアプリは、Facebookが「Creative Labs」と呼ぶグループによって開発され、2014年にリリースされた。ユーザー数は不明だが、このアプリを使っている人は1日当たり80件の記事を読んでいるようだ。
Zuckerberg氏の発言から分かるのは、これらの実験的なアプリの一部は(Facebookは早い段階でリリースし、提供後に完成度を高めていく計画)よりプライベートな表現方法を試すもので、どれも大きな利益を生む製品にはならないということだ。
「これらのアプリがInstagramやMessenger、WhatsAppと同じ段階に達するまでには数年かかるだろう。当社の次の優先事項は、10億人のユーザーに使ってもらうことだ。その後で重要な事業に育てていくことになる」(Zuckerberg氏)
これでお分かりいただけただろう。つまり、Facebookのネイティブのモバイルアプリケーションが稼ぎ頭で、ほかはすべて刺激を与えるものにすぎない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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