ヤフーは4月25日、2013年度通期の連結業績を発表した。創業以来17期連続での増収となったほか、第4四半期は過去最高の売上高1000億円を達成した。
通期の売上高は前年同期比12.6%増の3862億8400万円、営業利益は同5.9%増の1974億1600万円、経常利益は同4.8%増の1976億3400万円、純利益は同8.8%増の1251億1600万円。FXやカードなどの金融事業が大きく成長したほか、広告事業も堅調に推移した。ただし、コンシューマ事業は、2013年10月にECサービスの出店料などを無料にした影響で微増に留まった。
広告事業では、引き続きディスプレイ広告や検索連動型広告の売上高が増加したが、特に成長著しいのがスマートフォン広告だ。2012年度には250億円だった売上高が452億円(80.7%増)まで拡大した。2014年度は、Yahoo!プレミアムDSPやビデオ広告などの新施策を展開。さらにこの日、ヤフーの広告管理ツールからTwitterへの広告掲載が可能になることも明かされた。
“EC革命”を打ち出したeコマース事業の取扱高は前年比7.6%増の1兆7000億円となった。通販サイト「Yahoo!ショッピング」のストア数は、前年度末から約6万店舗増加し約7万8300店舗に拡大。さらに、個人ストアの開設や店舗向けのAPIの無料公開によって、商品数も前年同月末比で約4割増えた。消費税増税の“駆け込み買い”の影響もあり、3月は注文数や注文単価が前年同月と比べて約2割増加し、四半期の取扱高も過去最高を達成したという。
同じく出店料を無料にしたオークションサイト「ヤフオク!」もストア数が約1万8000店舗まで増加。出品者や入札者数、落札単価なども増加傾向にあるという。さらに、決算発表の前日となる4月24日には、ブックオフコーポレーションとの資本業務提携を発表。ヤフオク!で中古本などを販売するほか、リユースセンターの建設も進めていくとしている。
ヤフーはイー・アクセスを子会社化し、6月から携帯キャリア事業に参入することを発表している。ウィルコムやイー・アクセスが従来から提供しているPHSやデータ通信端末に加えて、Android端末を中心とした新たなスマートフォン事業「Y!mobile」(仮称)を展開する予定だ。
Y!mobileの始動まで残すところ約1カ月となったこの日も、具体的な端末や料金プランについては明かされなかったが、ヤフー代表取締役社長の宮坂学氏は、現在週の半分以上をイー・アクセスのオフィスで過ごし、サービス内容について議論しているという。
宮坂氏は「広告についても(新施策によって)いろいろと目処が立ってきたし、ECも流通総額でみれば成果が出始めている。これに続く“第3のロケット”として、キャリア事業もやろうと考えている」と説明。携帯キャリア事業を広告やECの土台にすることで成長を加速させ、中期目標である“201X年3月期までに営業利益2倍”を目指すとした。
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