アイドルマスター好きな記者が見たiOS「シャイニーフェスタ」独断偏見インプレッション

 バンダイナムコゲームスのiOS向けのゲームアプリ「アイドルマスター シャイニーフェスタ」。2012年10月25日にPSP用ソフトとして発売された同名タイトルのiOS版で、iPhoneとiPadに対応したユニバーサルアプリとして配信している。

 本作ではリズムゲームをメインに、アニメも収録。アイドルマスターの世界観とキャラクター、そして楽曲の魅力を楽しめる内容となっている。収録曲や担当アイドルが異なる「ハニーサウンド」「ファンキーノート」「グルーヴィーチューン」の3つが用意され、PSP版でも別々に販売されていたのと同様に、iOS版でも別々に配信されている。

  • 「ハニー サウンド」の担当アイドルは天海春香、如月千早、三浦あずさ、秋月律子の4人

  • 「ファンキー ノート」の担当アイドルは、高槻やよい、水瀬伊織、我那覇 響、双海亜美・真美の5人

  • 「グルーヴィー チューン」の担当アイドルは、星井美希、菊地 真、萩原雪歩、四条貴音の4人

 

 コンテンツ内容はPSP版とほぼ同等。それゆえにアプリの容量もダウンロード時には2Gバイト弱、無料のダウンロードコンテンツ(DLC)楽曲を入れると最終的には3Gバイト程度になり、価格も掲載時点では有料アプリであまり例のない各4800円と設定されている。

テレビアニメ1話分に相当するアニメをそれぞれ収録

 本作はアイドルとともに南国リゾートで行われる音楽祭(フェスタ)に参加して盛り上げることを目的とした、オリジナルストーリーで展開される。

 ゲーム開始冒頭では、3つそれぞれに異なる物語のオリジナルアニメが再生される。アニメは以前放送されたテレビアニメ「アイドルマスター」と同じ制作スタッフが担当し、1話分に相当する約23分の映像が収録されている。アニメの中には、アプリごとに異なるオリジナル楽曲や統一のテーマ曲「MUSIC♪」のミュージッククリップも収録。「シャイニーフェスタ」での物語がどういうものかを説明すると同時に、キャラクターや楽曲の魅力を伝える内容となっている。もちろんアニメをスキップすることや、後からゲーム内で再生することも可能だ。

収録されているアニメは、テレビアニメ「アイドルマスター」と同じく、錦織敦史監督、A-1 Pictures制作によるもの。それぞれに異なるテーマを持ったストーリーとなっている
収録されているアニメは、テレビアニメ「アイドルマスター」と同じく、錦織敦史監督、A-1 Pictures制作によるもの。それぞれに異なるテーマを持ったストーリーとなっている
  • それぞれのオリジナル楽曲をアニメミュージッククリップで収録。「ファンキー ノート」は「ビジョナリー」

  • 「ハニー サウンド」は「Vault That Borderline!」

  • 「グルーヴィー チューン」は「edeN」

 iOS版での特徴は高解像度で映像が表示されること。これは画面の小さなiPhoneでも一目でくっきりした映像になってると感じられるほどで、iPadであれば大きな画面でアイドルたちの姿を堪能することができる。これはアニメだけではなくリズムゲームの部分でも同様だ。

タッチ操作に最適化されたシンプルで遊びやすいリズムゲーム

 リズムゲームのルールは、左右から流れてくる右アイコンないしは左アイコンがターゲットと重なったときに、タイミングよくタッチ(タップ)するというもの。右アイコンは画面右側、左アイコンは画面左側をタッチする。タッチ状態を維持するホールドや同時押しの要素もあるが、煩雑な操作はなくシンプルで手軽に楽しめる。

  • メインメニュー画面。PSP版とユーザーインターフェイスは一緒だが、タッチパネルで直感的に操作しやすい

  • 楽曲セレクトの「STAGE」。難易度は4段階用意され、クリアするほど難しい難易度でプレイが可能となる

  • 左右から流れてくる右アイコンないしは左アイコンがターゲットと重なったときに、画面右や画面左をタッチする。同時押しや長押しもある

  • プレイ中の画面。バックにはミュージッククリップが流れている

  • ゲームをプレイしてファン人数を集め、一定数集まるとランクアップ

  • プレイをサポートするアイテムも、ゲームプレイで集まるマニーで販売。ランクによって購入できるものが増えていく

 楽曲の難易度も4段階用意され遊び応えもある。難易度が上がるとタップするアイコンの数が増えるのとともに、ターゲットの位置が固定ではなくなり、さまざま位置で表示される。このときiPadの場合は画面の上下に映像が無い余白部分があるが、iPhoneでプレイする場合、指で隠れてしまうのがやや気になるところ。

 だが、それ以上にスマートフォンのリズムゲームにおいて記者がよく感じる一番大きなストレスは、特定の部分に押したつもりでも、ズレがあって押してないと判定されミスすることだ。画面の小さいiPhoneであればなおさら感じるところ。本作の場合は画面の右側と左側という領域のみであるため、タップ位置の間違いによるストレスを感じることはまずない。タイミング判定の感覚については個人差もあるが、特に厳しいと思うことはなく、気持ちよくタッチして楽しめると思う。

こちらはiPadでのゲーム画面。上下に余白となる部分があるため、そこをタッチしていけば邪魔にならない。PVや映像も大画面で堪能できる
こちらはiPadでのゲーム画面。上下に余白となる部分があるため、そこをタッチしていけば邪魔にならない。ミュージッククリップや映像も大画面で堪能できる

 ゲーム中のミュージッククリップも曲ごとに2種類ずつ用意され、シューティングスター(★マーク)をタイミング良く押すことによって変化する(シャイニングバースト)仕組みだ。楽曲の音質もヘッドホンで聴くと低音がしっかり出ているようで、極端に圧縮した印象は受けなかった。高音質化は大容量ゆえにこだわった部分なのかもしれない。

 なお、初期状態で収録されている楽曲は12曲。PSP版で収録されている曲は20曲で、iOS版で入っていない残りの8曲は、PSP版にはなかった「DLC STORE」の項目から無料でダウンロードする形となっており、収録楽曲もPSP版と同じとなっている。

  • PVは楽曲にもよるが、ステージに登場して歌うものからアニメ映像を使用したものまでさまざま。1楽曲につき2種類ずつが用意されている

  • DLC STOREから楽曲をダウンロード。追加楽曲というよりも、初期状態では入っていないPSP版での収録楽曲を補充するような形で無料配信している

 ゲームモードでは曲単体で遊べる「STAGE」のほか、ショートストーリーを織り交ぜた「STAR OF FESTA」がある。ゲーム内の1日で3曲ずつ披露するライブを5日間行い、人気投票のポイントによってエンディングが変化するというものだ。ここではゲームプレイやアニメを見ることによって溜まる「思い出」が活用される。プレイ中にハートマークのアイコンが流れ、タイミングよく押すとより多くの人気を獲得できる「思い出ブースト」がこのモードでのポイントだ。

 また各日の3ステージ目ではライバルと同じステージでスコア対決。登場するのは担当していない765プロのアイドルや876プロのアイドル、961プロのジュピター、「アイドルマスター シンデレラガールズ」のアイドルたちなどで、勝負に勝つと名刺が手に入るというコレクション要素もあり、長く楽しめるモードとなっている。

  • 1日3ステージを5日間行い、人気投票の獲得し目標達成を目指す

  • ハートマークをタイミングよくタッチすると、より多くのポイントが獲得できる

  • 3ステージ目にはライバルが登場する。勝負に勝つと名刺を貰うことができる

価格的に勇気はいるが、手軽にアイマス楽曲とリズムゲームが楽しめる魅力あるアプリ

PVは「THEATER」からミュージッククリップとして閲覧が可能。ゲーム中ではシャイニングバーストしたときの映像を最初から見ることができる
ミュージッククリップは「THEATER」から閲覧が可能。ゲーム中ではシャイニングバーストしたときの映像を最初から見ることができる

 今回インプレションで試したのはiPhone 5で、動作についても特に問題となるようなことはなく、端末や使用状況によるところもあるが、読み込みやロードに関しては大容量であってもかなり速く快適と感じている。短い時間でどこでも気軽に楽しめるリズムゲームとしてみてもスマートフォンとの相性が良い。タッチ操作に最適化したほか、高音質・高画質でクオリティも上がっており、iPadのような大画面で楽しめることもファンとして嬉しいところだろう。内容としても、アイマスの魅力である楽曲、そしてキャラクターをアニメとリズムゲームでダイレクトに伝えるものとなっている。

 もちろん、ゲームアプリとしてはインパクトのある価格、そして大容量が故の端末の空き容量の問題、またファンであればすでにPSP版を保有しているというユーザーも少なくなく、購入までの心理的なハードルは低くない。ちなみにPSPのUMD版が5980円、ダウンロード版は5380円で販売されている。もちろんゲームアプリとして多種多様な売り方があってしかるべきで、アプリとしては高額でも、パッケージゲームと同内容のものを同等以上のクオリティでリッチにし、ファン向けに満足度を上げた形で提供するという試みは面白いと思う。

 スマートフォンで遊ぶリズムゲームとしてはかなり遊びやすく、それが20曲分をミュージッククリップの映像を含めて収録。そして1話分のアニメ。高画質化や読み込みの速さ、携帯性などのプラスアルファ部分をどこまで価値があるとするかは人それぞれだが、コンテンツを見るならば、お気に入りのアイドルがいるアイマスファンはもとより、リズムゲームをシンプルに楽しみたいというユーザーでもオススメ度合いは高く、価格相応に楽しめるのではないかと考えている。

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