環境保護団体のGreenpeaceが新たに発表したレポートによると、Apple、Google、Facebookといった大手IT企業がデータを扱う企業として世界一環境に優しいという栄冠を手にしようと競うなか、インターネット界の大御所であるAmazonはこうした大義をまったく無視し、競合他社に大きく引き離されてしまっているという。
「Clicking Clean: How Companies are Creating the Green Internet」(クリーンに向けたクリック:グリーンなインターネットの創造に向けた各企業の取り組み)と題されたこの新たなレポートでは、同団体の考える「ダーティー」なエネルギーを巨大なデータセンターの運用に利用しているとして、「Amazon Web Services」(AWS)を提供し、インターネットトラフィックの多くを担っているAmazonを最も許し難い企業と位置付けている。ダーティーなエネルギーには原子力や石炭による電力が含まれている。
Amazonのウェブホスティング事業によって、北米におけるピーク時のインターネットトラフィックの31%以上を占めるNetflixのほか、PinterestやSpotify、Vineといった名の通った数多くの企業のインフラが構築されている。Greenpeaceによると、Amazonは企業に対してクラウドコンピューティングという選択肢を安価に提供する一方で、環境に大きな負荷をかけているという。
Greenpeaceは同レポートで「AWSは、環境に対する影響や、再生可能エネルギーに対する明らかな配慮もないままに、世界的なインフラとして急速な拡大を続けている」と記している。
同団体は公開されているデータからの推定により、AWSのクリーンエネルギー指標を15%としている。また同団体は、Amazonが同社のエネルギーフットプリントや環境フットプリントを一切明らかにしてない点を挙げ、同社の透明性を「F」と格付けしている。
AWSの広報担当者はこのレポートの内容に異議を唱えている。同担当者は電子メールで「大手テクノロジ企業はエネルギーを効率的に使用するとともに、クリーンなエネルギー源を求めることで環境保護に貢献すべきという点についてはGreenpeaceに同意する。しかし、その『Clicking Green』レポートは、AWSの運用に対して過った前提を置いており、AWSのエネルギー利用についても不正確なデータを用いているため、的外れな内容となっている。われわれは、Greenpeaceが同レポートを公開するに先立って、こういったフィードバックを彼らに提供していた」と述べている。
一方Appleは、2012年に公開された前回のレポート以降、最も大きな改善を果たした企業として賞賛されている。今回のレポートによると、カリフォルニア州クパチーノにあるAppleのデータセンターは、風力や太陽光といったクリーンなエネルギーで100%まかなわれているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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