筆者はMicrosoftについて、その人々、戦略、製品について数十年間取材を続けてきた。それでも、この5年間、創設者であるBill Gates氏について書く機会はほとんどなかった。
それはなぜか。Gates氏がMicrosoftにおける日々の任務から離れ、自ら設立した基金の仕事に注力するようになった時点で、MicrosoftやIT業界対する同氏の関心がきわめて薄くなっていると思われたからだ。
だが、そのGates氏が戻ってきた。同氏によると、2014年からは、自身の時間の最大30%をMicrosoftに関与する可能性のために空けておく計画だという。そして、同氏はMicrosoftとテクノロジについて語るために戻ってきた。雑誌The Rolling StoneによるGates氏の新たなインタビューによるとそのようだ。
「Bill Gates: The Rolling Stone Interview」(副題は「世界一の富豪、いかにして地球を救うのかを語る」)は、Gates氏の基金を中心に、世界の健康問題や社会問題の解決策に関する同氏の見解に焦点を重点的に当てている。だが、インタビューの序盤は、テクノロジ(!)そしてMicrosoft(!)に関する質問と同氏の回答で構成されている。
3月27日公開のThe Rolling Stoneの記事から、以下に一部を抜粋する。
Gates氏は、Facebookが190億ドルで先ごろ買収したモバイルメッセージングを手がける新興企業WhatsAppについて、Microsoftにも「買収する意思があった」と語っている。The Rolling StoneのJeff Goodell氏がGates氏に対し、GoogleがWhatsApp買収の可能性を検討していたようだと話すと、同氏は次のように答えた。「その通り。Microsoftにも(WhatsAppを)買収する意思があった・・・190億ドルしたかどうかは分からないが、同社には極めて高い価値がある」
Gates氏は、Facebookの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏について、かつての自分よりもプロダクトマネージャーとしての性格が強いと評している(ちなみに、Gates氏は自身について「プログラマーとしての性格が強い」と説明している)。Gates氏は「私はアーキテクチャから始めるのに対し、Mark(Zuckerberg氏)はプロダクトから始める。そして(Appleの前CEOだった)Steve Jobs氏の場合は美学から始めた」と語った。
驚くべきことではないが、Gates氏はNSAの内部告発者であるEdward Snowden氏について楽観的に捉えてはいない。Gates氏は、Snowden氏が法律に違反しており、暴露する目的は別の方法でも達成できただろうと指摘した。そして、「私から(Snowden氏を)称賛する言葉は、あまり得られないだろう」と付け加えた。
Steve Jobs氏は、Gates氏とその仲間たちにMacが500ドルPCになると信じ込ませた。Gates氏はJobs氏との仕事上の関係について少しばかり語った。「われわれは、初代Macソフトウェアの開発で密接に協力したパートナーであり、それは驚くべきことだ。なぜなら、Appleよりも多くの人材をそろえてその作業に取り組んでいたからだ。しかし、われわれは世間知らずだった。Steveはわれわれに、これが499ドルのマシンになると約束していたのだが、その次に分かったことは、1999ドルするということだった。いずれにしても、このMacプロジェクトはとてつもない経験だった。Macサイドの担当チームは、完全に燃え尽きてしまった。2年間で、誰一人としてそこに残った者はいなかった。だが、われわれが一緒に協力したことは伝説的なことだった。Steveは天才だった」
Gates氏はインタビューで、保健や政治、さらには宗教的な質問にも答えている(ネタバレにはしたくないのだが、Goodell氏はGates氏が神を信じるかどうかも尋ねた)。
筆者個人としては、Gates氏が進んでテクノロジを(再び)語り始めたことに興味がある。もしかすると、今後Microsoftのイベントでも同氏の発言を聞くことができるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス