カリフォルニア州クパチーノ発--「iPhone」と「iPad」がAppleの事業を支配するようになる一方で、テレビは同社にとって補足事項に格下げされることが多くなっていた。だが、「Apple TV」はちょっとした趣味としては上出来だと、同社最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏は述べた。
Cook氏は「その趣味が2013年に売上高で10億ドルを超えた」ことを当地で開催の年次株主総会で明らかにした。「これ以上(Apple TVを)趣味と呼ぶのは少し難しくなった」(Cook氏)
10億ドルという数字は、映画やテレビ番組といったAppleが同プラットフォーム上で展開したコンテンツ販売も含んでおり、同社セットトップボックスのハードウェア販売だけではない。米国時間2月28日の株主総会でCook氏は、2つの収益源の内訳について明確には述べなかった。
とはいえ、この節目が意味するのは、Apple TVが消費者の注目を集めているということだ。Cook氏は1年ほど前、同社が2013会計年度第1四半期に販売したApple TVは200万台を超え、その前年の140万台を上回ったことを明らかにしている(Appleの第1四半期には年末のショッピングシーズンが含まれていることに留意する必要がある)。
さらに、同社は2014年前半にApple TVを一新するとされている。しかし、そのアップデートはコンテンツのエクスペリエンスを向上するためのもので、ゲームセンターや別バージョンの「App Store」がおそらく追加されると報じられている。
それでも、10億ドルという額は、Appleの2013年純売上高合計の1パーセントにも満たない。また、同セットトップボックスは、多くのファンが長い間望んできた、本格的なテレビセットとしてのApple TVとはかけ離れたものだ。Cook氏は、Appleは2014年に新たな製品カテゴリに参入していく意向だとしている。そしてCook氏は28日、こうしたすべての期待を逆手にちょっとした芝居をうった。Cook氏が「今日はいくつか新しい製品を発表したい」と述べると、記者らであふれかえった部屋は一瞬静まり返った。するとCook氏は「最後のところは、ただの冗談だ」と笑いながら付け加えた。
しかし、技術革新と研究開発の話題についてCook氏は、同社が過去16カ月間に買収した企業は23社だったことを明らかにした。これまでのところ、Appleの最近の戦略は、技術力の増強を目的とした小規模企業の買収であり、Cook氏も28日にこの点を繰り返している。「われわれは、一番高い金額を支払う競争に参加しているわけでも、ニュースの見出しを取るために競っているわけでもない」とCook氏は述べた。これは、メッセージングサービスを手がけるWhatsAppをFacebookが190億ドルもの巨額で買収することについて、間接的に言及したものと思われる。しかし、同氏は、大々的な買収について排除はせず、「だからといって、われわれが明日の午後にでも大企業を買収しないという意味ではない」と述べた。
総会では、株主に対するAppleの提案はすべて承認されたが、個人投資家らによる提案は棄却された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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