多くの人は、ネットで見つけた記事について自分の意見を投稿するとき、事前にその記事を読もうとさえせず、すぐに記事を共有しているのではないだろうか。Upworthyなどのサイトのオンライントラフィックを測定する企業であるChartbeatが最近、そういう考えを裏付けるような発言をしている。
The Vergeが米国時間2月14日に掲載した記事によれば、ある記事を実際に読んだ人とその記事に関してツイートした人との間に相関関係はないこと示す調査結果が出たことをChartbeatが明らかにしたという。ChartbeatのデータはTwitterに限定されているが、同じ現象はFacebookにも及んでいる可能性が高いとThe Vergeは報じている。
Chartbeatの主任データサイエンティストを務めるJosh Schwartz氏は、The Vergeの取材に対して「(ある記事に関する)ツイート数とその記事へのトラフィック総数との間には、明らかに相関関係がある。だが、最もじっくりと読まれている記事と最も多くツイートされている記事との間に、関連性は全くない」と語っている。
Schwartz氏は、こうなる理由について憶測することは避け、このデータは出発点にすぎないと述べるにとどめた。とはいえ、多くの説明が考えられる。たとえば、ソーシャルメディアからのクリックはモバイルデバイスから行われることが多いが、モバイルデバイスでは1つのページに割く時間が少ないのが普通だ。
このような考え方が話題になったのは、今回が初めてというわけではない。2013年には、人々が記事をまともに読んでいないという考えについて、Slateが明快な記事を掲載している。また、どのくらいの量の情報が私たちのフィードに毎日流れて来るかを考えれば、それも驚くようなことではない。入ってくる情報をすべて読む時間がある人などいるだろうか。筆者は、自分の注意を引くようなヘッドラインが毎日大量に生成される中、ヘッドラインが流れてくるたびにその要点だけを理解できれば個人的には満足だ。だが、自分が書いた記事に読者がたどり着いてほしいと思っている人間としては、自分が目にした記事の少なくとも一部は最後まで読み通し、それから共有しようとするのでなければフェアではない。
結局、最善を尽くすしかないのだ。
そこで、この記事をぜひ共有してほしい。たとえ読んでいなくてもだ。とはいえ、ここまで読んでくれたのであれば、この記事はあなたに関する話ではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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